


社会学部・社会学科
教員VOICE
心の問題を解決する手立てを生活・文化・歴史を含めて考える
臨床心理学とは人の心の問題を解決する方法を考える学問です。そしてカウンセリングとは、臨床心理学の専門知識をもとに、おもに対話を通して心の問題や悩みを解決する援助をすることです。現在の臨床心理学の研究は、症例を集めて数量的に分析するなど、自然科学的な手法で行われるのが主流です。もちろんこうした研究は重要ですが、人の心の悩みはその人だけのものであるとともに、人をとりまく生活や文化、歴史と無関係ではありません。また、表面的な悩みや部分的な悩みは自然科学的な手法で解決できるかもしれませんが、自分は何のために生きているのかといった根源的な悩みまでは解決できません。他方、人は臨床心理学という学問が生まれる前から、宗教の教えなどさまざまな方法で悩みを解決しようとしてきました。私はこうした、現在は忘れられてしまったような方法に再度スポットを当てて研究し、カウンセリングに活かしていくことを考えています。
『学生時代に何を学ぶべきか』
若い頃読んだ本。金子兜太氏は「大学で何もしないということも大事」と書いていて、当時の自分ともカウンセリングの考え方とも重なりました。
愛犬のまみ
昨年17歳8か月の生涯を終えました。人は考えるからこそ悩みますが、まみからは、悩みを超えてただひたすら生きることの大切さを学びました。