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実務家教員の紹介 ~辻野啓一先生へのインタビューを通じて~〈後編〉

国際観光学科の教員の澤海です。前回の記事では、新任教員の谷口佳菜子先生を紹介しました。今回は、2019年度より実務家教員として国際観光学科に所属している辻野啓一先生にインタビューを行いました。辻野先生は旅行会社のJTBに長く勤めた経歴をお持ちで、海外での経験も豊富です。どんな興味深いお話をいただけるのか、大変楽しみにインタビューに臨みました。

(本記事はインタビュー後編です。インタビュー前編はこちらをご覧ください。)

  ← 実務家教員の辻野啓一先生

 

(注)このインタビューはZoomを通じて実施されました。

 

 

〈インタビュー後編〉

・先生の専門分野は何ですか?

38年間、旅行会社にいて、その後5年間は日本エコツーリズム協会理事・事務局長を務めていましたので、実践的な観光だといえます。特に旅行会社の最後6年間はハワイで勤務していましたので、ハワイが専門だと思います。ハワイは切り口がたくさんあって、DMO(Destination Management/Marketing Organization)の成功例だといえます。なぜ常連の旅行客が多いのかというと、魅力づくりをしっかりと行っているからだと思います。Incentive Houseというイベント企画会社がハワイで様々な催しものを行っていたり、あとはホノルルマラソンや、いろんなアーティストのコンサートも実施されていたりします。

もともとハワイは特に何もない場所だったのですが、タロイモ畑に運河を作って、島内やカリフォルニアから運ばれた砂を使ってビーチを作ったのです。そのような試みから我々が学習することが多いです。 

    ← DMOのプレイス・ブランディング

 

・その専門分野は私たちの生活とどんなつながりがありますか?どのように役立ちますか?

いろんな成功例を学べます。旅に何を求めるかというと、かつては感動だったのですが、今は安らぎや癒しというふうに変わってきています。特に現代はストレス疲れがあるので、人々は癒されたいと思っています。そういう意味でハワイは最高の場所です。波の音を聞き、プルメリアの香りをかぎながら、朝食をゆっくり食べるという生活です。ハワイの朝は究極の非日常です。

 

・今どんな研究をしていますか?

ハワイやエコツーリズムの研究です。エコツーリズムは観光と環境の両輪で動いているので、環境のことを意識しないとオーバーツーリズムになってしまいます。これはハワイでも起こっていて、サンオイル、プラスティックのストローとかが環境破壊につながってしまいます。しかし今、マウナケア―山のオプショナルツアーなどでは、お弁当箱はプラスティックではなく再度利用できるものに変わってきています。エコツーリズムはオーバーツーリズムを抑制する意味でも今後注目されていくのではないでしょうか。

 

・人生の夢、野望は何ですか?

学生に旅の素晴らしさを知ってもらいたいです、特にハワイです。ハワイは、みんな表面しか知らないでしょうし、もっと深く知ってほしいです。マウイ島はかつて捕鯨の街でしたが、鯨を獲ることから鯨を見ることに変化しました。また、カウアイ島のシダの洞窟は理想のウェディングスポットとして有名ですが、台風でめちゃくちゃになり、その後にロケーションツーリズムの聖地として復活を遂げました。ここから学べることは、理不尽なもので大事なものを無くしても立ち上がる強さで、それを学生に身に付けてほしいですし、ハワイを例にして学生にはへこたれない力を身に付けてほしいと思います。

   ← ホノルルマラソン完走後のテント前にて、サンタ姿で参加者を迎える辻野先生

 

・現状を乗り切るために、何か学生にアドバイスを!

日々、目標感を持つことでしょう。例えば、本を読むとか、英語を勉強しようとか、何でもよいですが、なるべく高めの目標を持つことでしょう。そして、これを毎日続けるのです。毎日続ける秘訣としては、1日の中でも時間を区切ってやることを決めることです。例えば、何時に散歩をして、森の中で読書をする、とかです。1日20ページを読むとかでもいいのです。小さな成功を重ねて大きな成功にするのが大事ですし、ちょっと背伸びすれば届くことを毎日やるのが肝要です。

また、オンライン授業では、もっと気軽に教員に相談してほしいです。特に遠慮せずにいろんなことを相談してください。自分の好きな先生に自分からコンタクトするといいでしょう。

 

 

以上、いかがでしたか。

前編のハプニング続きのロードス島への添乗のお話が最も衝撃的でしたが、大変だった分、それをやり遂げた際の達成感は他では味わえないものだったでしょう。本記事で辻野先生のことを紹介しましたが、今後の授業で辻野先生にお話する機会がありましたら、ぜひともこのインタビュー内容についてさらに聞いてみるといいですね。