実務家教員の紹介 ~辻野啓一先生へのインタビューを通じて~〈前編〉
国際観光学科の教員の澤海です。前回の記事では、新任教員の谷口佳菜子先生を紹介しました。今回は、2019年度より実務家教員として国際観光学科に所属している辻野啓一先生にインタビューを行いました。辻野先生は旅行会社のJTBに長く勤めた経歴をお持ちで、海外での経験も豊富です。どんな興味深いお話をいただけるのか、大変楽しみにインタビューに臨みました。
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(注)このインタビューはZoomを通じて実施されました。
〈インタビュー前編〉
・趣味は何ですか?
映画鑑賞です。映画は必ず劇場で見ますし、飛行機のモニターでは見ないですね。これは40年間続けている趣味で、トータルで7000本以上は見ました。学生時代は京橋のフィルムセンター(現在は国立映画アーカイブ)によく行ってました。たとえ海外に行ったとしても、例えばサンフランシスコ、香港、シンガポールなどで勤務したときにも続けていましたし、一週間に2本以上は鑑賞していました。
(澤海)オススメは何かないでしょうか?
今の映画ですね。クイーンを紹介した『ボヘミアン・ラプソディ』は、音楽もいいし、映画の中身も素晴らしいです。
・日々、どんな生活をしていますか?
「本を読み、人に会い、旅に出るべし」と昔習ったので、アンテナの高い人と話をしたいですね、特に1対1で真剣勝負の話がしたいのです。ただ、今は後者2つができていないので、本を読んでいます。長い時間、一冊を読み続けることが苦手なので、4冊くらいを同時に読み進めています。例えば、英語の本、エンターテインメント、職業に関わる本などトピックを分けています。
もう1つは、夜の1時から3時にBSで録画したものを見ています。エコツーリズムに関係する『ワイルドライフ』などです。そして次の日は5時半または6時半くらいに起きます。
・外出自粛要請やオンライン授業によって何か生活が変わりましたか?
これまで好きだったことができず、人に会えず、旅行にも行けていないですね。さらに、春学期オンライン授業にはとても時間を取られます。そのような中でも、目標感みたいなものがあるとうまくいきますね、例えば3日に1冊本を読む、というふうに決めることです。これは学生にも伝えたいことですが、自分に課す目標があると良いですね。
・今、もう一回大学生になれるとしたら、どんな学生生活を送りたいですか?
本当に勉強がしたいです。気に入った先生がいたら、その先生にべったりついていきたいですね。学生時代にはそれをしてこなかったので、もう少し先生に近づけばよかったと思います。
・これまでで印象的だった観光を教えてください。
観光というよりもJTB入社3年目くらいで添乗した旅で、トラブルの連続でした。その旅では9人のお客様がギリシャのロードス島にいく予定でした。まずフランスのパリで便を乗り換え、そしてギリシャのアテネへ行くはずでした。ところが・・・パリに到着した時点でかなり遅れており、アテネ行きの便に乗り継げなかったのです。席を取り直そうとしましたが、7人分の席しか取れなかったのです。しょうがないので、私は残りの2人とジュネーブまで行き、翌日になってやっと、アテネに行けました。一方、直接アテネに向かった7人については、7人のスケジュールを会社に連絡し、出迎えのガイドの手配をしなければいけなくて、何度も連絡を取ろうとして、やっとのことでロンドン支店に連絡がついて、アテネで全員合流できました。
しかし、またそこでハプニングが発生したのです。飛行場の管制塔のストで飛行機が飛べないという状況が続いていたようなのです。空港で待ち続け、奇跡的にロードス島への飛行機だけが飛んだのです。そして、やっとの思いでロードス島のホテルに到着したところ、次はホテルのエアコンが壊れていました。めちゃくちゃ暑かったのですが、参加者にいくつもの試練を乗り越えてきた同志感が生まれもうこんなことでは驚かなかったですね。
← ロードス島の巨像(イメージ)
最後に、パリに戻って東京に帰国しようかと思ったのですが、なんと、パリから成田への便がキャンセルされていたのです。これはパリからアテネへの往路に乗れなかったため、自動的にキャンセルされてしまっていたのです。でも、なんとか予約を取り直して、10人揃って成田に帰れました。成田で最後にご挨拶をしたとき、お客様から心からの拍手をいただいて、涙が止まりませんでした。その瞬間、これを自分の一生の仕事にしようと決めたのです。
〈インタビュー後編は後日掲載します〉