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「法学部で広がる未来の自分の可能性」第3回

第3回「協働」で地域を変える!自治行政学科での学びとは?

みなさん、こんにちは!今回で第3回目となりました「法学部で広がる未来の自分の可能性」では、流通経済大学の法学部について多くの方に知っていただくため、法学部の先生方にインタビューを行っています。今回は、自治行政学科の坂野先生に「自治行政学科」という流通経済大学法学部ならではの学科についてお話ししてもらいました。自治行政学科の学びの内容やその魅力、また卒業生の進路についてもお尋ねしましたので、ぜひ坂野先生のお話をお聞きいただければと思います!

 Q:本日は流通経済大学法学部の「自治行政学科」についてお話をお聞きできればと思いますので、よろしくお願いいたします。

坂野:私の方こそ、よろしくお願いします。

Q:自治行政学科という学科の名前は珍しいような気がするのですが、この学科ではどのようなことを学べるのでしょうか?

坂野:たしかに、自治行政学科という名前の学科は珍しいと思います。「行政」は、国と地方自治体の両方にありますよね。本学の自治行政学科では、この中の自治体の行政を中心に、行政の仕事やその役割を学んでいきます。そして、行政以外にも、地域のことに携わる方々の活動についても学びながら、最終的には、地域で活躍できる人材になってほしいと考えています。

Q:地方自治や自治体行政に関する勉強をしていくのですね。

坂野:そうですね、自治行政学科では、大きくいえば、行政、ことに、自治体行政を動かす理論とそのための法律の2つについて学んでいきます。

Q:具体的には、どのようなことを学ぶのですか?

坂野:行政の活動には、その活動がなぜ必要なのかという理由があります。それを「政治学」、「行政学」、そして「公共政策論」などで学ぶことになります。また、行政はその活動を行うにしても、そのための組織を作るにしても、基本的には「法」に基づかなければなりません。これを「法律による行政」といいます。そのため、日本の国のかたちを描いている「憲法」や、行政について定める行政法、さらにその中には地方自治法という法律があります。自治行政学科では、これらの法についても学ぶことになります。

Q:少し難しそうに感じますね。学生の皆さんはこのような難しい勉強についていけているのでしょうか。

坂野:大丈夫ですよ。自治行政学科では、身近な話題を取り上げながら、皆さんにわかりやすく理解してもらえる科目を準備しています。たとえば、現在、地震などの際、行政はどのように対策を行っているかということをお考えになったことはありますか?この疑問にお答えできる科目も用意してあります。「防災政策論」という科目です。

Q:たしかに具体的な問題を意識すると少しわかりやすくなりますね。

坂野:そうだと思います。また、ゼミなどの少人数の授業では、先生がわかりやすく法律や理論を教えてくれます。地元である松戸市や龍ケ崎市、さらに、埼玉県吉川市や茨城県利根町という大学の近隣の自治体と共同研究を行いながら、公務員の方々から直に行政の仕事やその役割を学んでいるゼミもありますよ。

Q:少人数で実践的な学習をすることができるのですね。ところで、自治行政学科は地方公務員を目指している学生のための学科ということになるのでしょうか?

坂野:たしかに、地方公務員になるためにはよい学科といえますが、それだけではありません。例えば、国家公務員になるためにも役に立つ勉強ができますし、また地域で活躍する企業に入る方やNPOなどの活動をしたい方々にとっても、有意義な学びができるはずです。

Q:実際、卒業された方々はどのような進路に進まれたのでしょうか? 先生の学生さんたちでも構いませんので、自治行政学科の皆さんの就職先などをお聞かせくださいませんか?

坂野:やはり、私の卒業生では、地方公務員になった卒業生が多いですね。私の担当している科目が、「行政学」というまさに行政に関する学問ですので、私のゼミには、公務員を目指す学生が多く所属しています。市町村職員、警察官、消防官などの地方公務員になった卒業生が多いのですが、2年前の卒業生には、県庁職員と国家公務員になった学生もいました。民間企業に就職した卒業生もいますが、みんな、私の自慢の教え子たちです。

Q:なるほど、自治行政学科という名前のように、自治体行政に関わる卒業生が多いのですね。ちなみに公務員になるために、学生の皆さんは大学の授業以外に何か勉強をしていたりするのですか?

坂野:本学では、正規の授業以外に、課外講座として、公務員講座を設けています。この講座では、公務員試験などに特化した勉強をすることができるので、多くの学生が受講していますよ。

Q:公務員になるためには、通常の授業だけでなく、試験対策の勉強も必要なのですね。

坂野:そうですね。公務員試験は科目数が多いので、高校生までに学習した内容と大学で学んでいく専門科目、どちらも頑張っている学生が多いと思います。また公務員志望者に限らず、民間企業への就職を希望している学生も、勉強すべきことはたくさんありますよね。

Q:自治体であっても民間企業であっても仕事に就くのは大変なのですね(苦笑)。

坂野:たしかに学ぶべきことはたくさんあります。ですが、自治行政学科では、自治体行政の役割や仕事の内容を、市長さん、議員さん、市町村職員の方々、警察官、消防官の方々から学ぶ授業もあり、その方々のお話から頑張ろうという力をもらうことができます。また、みんなで一緒にいろいろな活動をすることで育まれる仲間意識も学習のモチベーションとなっているようです。

Q:みんなでともに課題に挑戦するということが大切だということですね。

坂野:そのとおりです。ちなみに、地域でも、市民、企業、行政、町内会・自治会、NPO、学校などがみんなで一緒に地域の問題解決をしていこうという流れがあります。これを「協働」といいます。現在は、「協働」なしでは、地域の問題を解決するのは難しくなっています。自治行政学科では、学生たちも「協働」の意識をもって学んでいるといえるかもしれません。

Q:学校も地域の問題解決に関係があるということですか?

坂野:そうなんです。本学でもやっていますよ。自治行政学科の学生を中心に、2011年、松戸市消防局と連携・協働して、防災の観点から、地域の安全・安心を守るためにできたサークルが「RKUファイヤーファイターズ」です。また、2012年、千葉県警の松戸警察署と連携・協働して、防犯の観点から、地域の安全・安心を守るためにできたサークルがMAPS(Matsudo Area Police Supporters)です。

Q:消防と警察、防災と防犯の両方で、2つのサークルは行政や地域と協働していたのですね。

坂野:そういうことです。ファイヤーファイターズは、大学の防災サークルとしては日本初のサークルです。

Q:勉強しながら、さらに地域の人たちと一緒に活動できるなんて、とても楽しそうですね!

坂野:自治行政学科では、学問を学びながら、地域の現場を踏まえた実践をすることができます。しかも、自治行政学科の学びは、公務員という職業に限らず、みなさんがNPO活動やボランティアといった形で地域に参加するときに必ず役立ちます。もちろん企業のビジネスにも役に立ちますよ。

Q:「自治行政学科は地方公務員」というイメージがあったのですが、見方がすごく広がった気がします。今日はどうもありがとうございました。

坂野:法学部自治行政学科のことを少しでもわかっていただいて、よかったです。こちらこそ、ありがとうございました。