


法学部・自治行政学科
教員VOICE
憲法が保障する表現の自由と名誉の両立を考える
私は日本国憲法21条が保障する表現の自由と名誉毀損に対する処罰・損害賠償の制度について研究しています。名誉毀損とは、簡単に言うと人の悪口を言いふらしてその人の評価を落としめることです。人の名誉を守ることは大切ですが、その一方で、表現の自由も憲法で保障されており、また世の中には、政治家の不正行為の報道など、本人の名誉を損なう内容であっても社会的に必要な表現もあり、どうバランスをとるかが課題です。日本では政治家の不正の報道なども形式上は処罰対象になるのですが、外国では必ずしもそうとはいえません。そこで私は外国の法律も参考にしながら、人の名誉も社会の要請も両立させる方法について考えています。そして「この社会を少しでも“マシ”にするため自分には何ができるだろうか」という気持ちと「なぜ世の中はこんな仕組みになっているのだろう」という興味関心をもちつづけながら、法律の研究に取り組んでいます。
『家栽の人』(作:毛利甚八、画:魚戸おさむ)
中学生のころの私に、法が人らしく生きるための道具であることを教えてくれた作品です。
『マッドマックス怒りのデス・ロード』
なぜ人の世に法が必要なのか、人が人らしく生きるとはどういうことかを考えさせてくれる名作です。