災害時に適切な行動をとるには健康と体力が不可欠。東日本大震災の災害死は過半数が高齢者であったことが示すように、高齢者の健康増進は防災の重要な要素です。一方、健康増進事業では健康無関心層へのアプローチが永遠の課題。「運動には無関心」だけど「防災には関心がある」人にアプローチできる『運動×防災教室』は、防災と健康増進の相乗効果が期待できます。今年で3年目となる大槻ゼミの『運動×防災教室』には25人の参加登録があり、4日間のべ83人の地域の皆さんが参加しました。これまでは龍ケ崎市危機管理課や茨城県防災・危機管理課との連携事業でしたが、今年はスポーツ健康科学科の稲垣ゼミと連携し、大槻ゼミが運動指導と体力測定を、稲垣ゼミがAED講習を行いました。
大槻ゼミは、3年生がストレッチ・筋力づくり運動・エアロビックダンスを、4年生が長座体前屈や握力測定などの体力測定を行いました。最終日は、体力測定の代わりにヘルスバレーボールを使ったレクリエーションを楽しみました。2日目は参加者が2組に分かれ、運動とAED講習を並行して行いました。AED講習では稲垣ゼミの学生が実演した後、参加者が胸骨圧迫等に取り組み、それを学生がサポートしました。また、非常食のローリングストックを学んだ昨年度に続き、参加者に食品の寄付を呼びかけて、寄せられた11.0 kgの食品をフードバンク茨城に届けました。
運動教室について参加者からは、「大変楽しかったです」、「とても元気になりました」、「これを機に運動を習慣化できればと思っています」などの、そして、AED講習については「胸骨圧迫では思っていた以上にすごく手の力が必要になることがわかった」、「人を助けるために筋トレをしたり体力をつけなければと思った」、「AEDが触れてすごく勉強になった」等の感想が寄せられました。
『運動×防災教室』の様子は、龍ケ崎市のツイッターでも紹介されています。流通経済大学では、今後も、教育と研究を通じて国民の健康増進に貢献していきます。