共創社会学部
国際文化ツーリズム学科 山崎ゼミ
- 教 員
- 山崎 良夫(ヤマザキ ヨシオ)教授
- 専門分野
- 旅行業務実務
- 所属期間
- 3〜4年次 通年
- 構 成
- 17名(うち留学生6名)
- キャンパス
- 新松戸キャンパス
※取材時(2025年1月17日)の情報に基づく

「体験こそ、最高の学び」
仲間と共に成長するツーリズム実践ゼミ

山崎 良夫 教授
4年 石川さん / 4年 兼松さん / 4年 細谷さん
山崎ゼミってこんなゼミ
「百聞は一見に如かず」をモットーに、机上の学びだけでは得られない“リアルな現場”での経験を重視しています。3年次では、月1回以上のペースで学外活動へと赴きます。ホテル・航空・旅行会社への企業訪問や被災地研修、地域での農業体験や海外でのボランティア活動など、多彩な現場を訪れます。活動ごとに交替制でリーダーを立て、学生自らが企画・運営を行います。リーダーとして責任を持って関わることで、旅行業務に必要な企画力、リーダーシップ、行動力、社会性、協調性などを養っていきます。また、活動を重ねる中で仲間との信頼関係が自然と育まれ、困難な課題にもチームで前向きに取り組む力が身についていきます。
ゼミの活動内容について教えてください。
山崎先生:山崎ゼミでは、「百聞は一見にしかず」の精神を大切に、実際の現場に足を運び、体験を通じて旅行業務を学んでいきます。とくに3年生では毎月1回以上の頻度でフィールドワークに出かけます。研修旅行やボランティア活動、地域イベントへの参加など多彩な体験を積んでいきます。
石川:私たち、じつは2年生の時から山崎先生のゼミなんです。計3年間の活動では、ハワイへのボランティア研修、福島への被災地研修、農家の収穫ボランティア、旅行会社やホテルへの企業研修、そして青春祭の模擬店出店など、本当にいろいろな活動を行いました。

兼松:そういった活動の行程は全て学生が考えるんです。持ち回りでリーダーを選出して訪問先の選定からスケジュール作成、訪問先との調整、移動手段の選択や予算管理まで、責任を持って行います。旅行業界を志望している学生が多いので、実務を実践できるのはとても役に立ちます。私自身もゼミでの経験を通じて視野が広がり、自信を持って就職活動に臨むことができました。その結果、念願だった旅行会社から内定をいただくことができました。
とくに印象に残っている活動はありますか?
細谷:とくに印象に残っているのは福島・双葉町への被災地研修です。津波と放射能の被害を受けた地域に足を運び、自分の目で見て、耳で聞くことで、風化させてはいけない記憶を実感しました。双葉町にあるタオル工場への視察では、地元出身の社長が地元の雇用創出のために会社を設立した背景などを聞き、とても感動しました。実際に働く方からの話も聞けて、復興に向けた取り組みを肌で感じられました。3日目には観光地・松島にも立ち寄り、地域の魅力を体感しました。

山崎先生:被災地だけを見て帰ってくると、どうしても気持ちが沈みがちになってしまいますよね。そこで、この活動のリーダーだった学生が、「学びと前向きなエネルギーの両方を得られるようにしよう」というコンセプトで、観光も取り入れたツアーを企画してくれたんです。地域の現状と魅力の両方を学べる、充実したプログラムになりましたね。
兼松:私は、学生審査員としてツーリズムEXPOの運営に参加した経験が、大きな学びになりました。国内外の旅行関連の展示や地域活性化プロジェクトなど、30作品ほどを自分で審査しました。わからない単語や外国語は調べながら、作品を調べて、評価して、コメントをするという作業。夏休みいっぱいかけて取り組みました。とても大変でしたが、世界中のツーリズム事情や観光地の課題、そして地域の魅力を知ることができるなど、得るものも多くとてもいい経験になりました。
石川:私が思い出に残っているのは、時事トピックのプレゼン練習。山崎ゼミでは、学外での活動だけではなく、教室内での授業もちゃんとあるんですよ。その一つが、この時事トピックのプレゼン練習です。一人ひとつずつ、自分が興味のあるニュースを一つ取り上げ、社会の動きを説明しながら、みんなの前で自分の考えを伝えます。持ち時間は一人あたり30分。30分て、思いのほか長いんですよ。だからしっかり準備をしないと話が持たなくて、とても大変。でも、みんなしっかり準備してきていましたね。自分のプレゼンはもちろん、他のメンバーのプレゼンを聞くのもとても勉強になりました。
ゼミの活動を通じて成長を感じたことはありますか?

細谷:私はゼミでの活動を通じて、自分らしくいられるようになりました。じつは私は高校時代、学校に行けなくなってしまった時期があったんです。だから、大学に入った時にも少し不安があったのですが、山崎ゼミに入って、ゼミのメンバーと出会い、話し、一緒に学ぶ中で、みんなそれぞれが個性を出したり、協調したりする中で視野が広がって、私自身も「本当の自分でいていいんだ、このままでいいんだ」と自信がつきました。今日もみんなに会える!って思うと、学校に行くのがとても楽しくて。山崎ゼミのおかげで私の学生生活がとても充実したものになったと感謝しています。
石川:私は、何でもチャレンジしようという気持ちが強くなりました。先生から「学生時代はどんどんチャレンジしてどんどん失敗しなさい」とアドバイスをもらったこともあって。大学4年間はとにかくいろんなことに恐れずに挑戦しようと思ったんです。だから、自分がリーダーを任された時も、どうせやるなら誰も思いつかないような面白いことを仕掛けてみよう、そんなふうに考えるようになりました。失敗した時には、先生が「こういうのもいいんじゃない?」と提案をしてくれるなど、ちゃんとバックアップしてくれるんです。山崎先生は、いつも私たち以上に私たちのことを見ていて、考えてくれる存在。そんな大きな安心感の中で挑戦と失敗を思い切り楽しめたことは、自分を大きく成長させてくれました。
兼松:いろいろな企画に取り組む中で、自分で物事を引っ張っていく力や、全体を見渡して動かす力が自然と身につきました。ただ「自分が楽しい」だけじゃなくて、参加するみんなのことを考えて計画を立てたり、トラブルが起きたときの対応や、スケジュール管理も自分たちでやるからこそ、全体を俯瞰する視点が鍛えられたと思います。そんな場面で、先生がいつも背中を押してくれたのが心強かったですし、ゼミのみんなといつも一緒に動いていたので、何をするにも安心感がありました。山崎ゼミのおかげで私の4年間が輝いたと感じています。
山崎先生:山崎ゼミでは、基本的には学生主体で動いてもらっていますが、すべてを任せきりにはしません。必要な場面ではしっかり口を出しますし、一緒に動くことも大切にしています。最初はみんな少し遠慮がちでしたが、次第に自分の意見を出すようになり、今では「指示待ち」ではなく、自ら考えて行動できる学生に育ってくれました。強い指示がなくても、自分の意思で前に進めるようになったのは大きな成長です。卒業後も、その前のめりの姿勢を大切に、自信を持って頑張ってください。