流経のゼミ (全員ゼミ)

Seminar
SEMINAR DATA

スポーツ健康科学部
スポーツ健康科学研究科 諏訪部ゼミ

教 員
諏訪部 和也(スワベ カズヤ)教授
専門分野
スポーツ神経科学、測定評価学
所属期間
3年次〜4年次 通年
構 成
16名
キャンパス
龍ケ崎キャンパス

※取材時(2025年1月10日)の情報に基づく

教室の外にも学びがある
「測定」を通じて解明するカラダの不思議

諏訪部 和也 教授
4年 沼田さん

諏訪部ゼミってこんなゼミ

スポーツの世界で「測定評価学」という分野を専門的に学びます。測定評価学とは、運動や体力、技術、心の状態などを数値として正確に測り、そのデータを分析して活用する学問です。たとえば、運動前後の体の変化を記録して、より効果的な運動方法を考えたり、ケガのリスクを減らすためのアドバイスに活かしたりします。この学びの中心にあるのは、プロ選手のような競技スポーツではなく、子どもから高齢者まで、誰もが楽しめる「生涯スポーツ」。無理なく楽しく体を動かせるような運動プログラムを考え、日常の中で健康づくりをサポートすることを大切にしています。

諏訪部ゼミではどんな活動をしていますか?

沼田:ゼミでは、さまざまな実験を通して、運動が健康や生活にどんな影響を与えるかを調べています。たとえば、「記憶力の高い人と低い人では何が違うのか」とか、「血管の柔らかさと体の柔軟性との関連性」とか、「運動後にストレッチを行うことで睡眠の質がどう変わるのか」…など。疑問に思ったことに対して仮説を立てて、実際に記録を取って検証していくということを日常的に行っています。仮説通りだったということもあれば、いい結果が得られないこともあります。でも、その過程で得られる学びはたくさんあります。

諏訪部先生:実験のテーマは、基本的に学生自身に考えてもらっています。自分が興味を持てるテーマの方が、やる気も出るし、学びも深まるからです。そして、できればその研究が将来の進路にもつながるような内容になるといいなと考えています。

もっとも力を入れたのはどんな研究ですか?

沼田:最も力を入れたのは「姿勢」の研究です。3年生の時に、4年生の先輩と一緒に立っている時と座っている時で、瞳孔の大きさや心拍数、反応のスピードなどがどう変わるかを調べて、面白いなと感じました。4年生ではその研究を引き継いで、高齢者に対象を絞って研究を行いました。運動の前後で血管の柔らかさや体の捩れ具合がどう変わるか、なども取り入れて論文にしました。高齢者の健康に興味を持ったのは、祖父母が大好きで「ずっと元気でいてほしい」と思ったことがきっかけ。70代で認知症になる人もいれば、90歳でも元気な人もいますよね。その違いが何なのかを知りたくて、研究に取り組みました。

諏訪部先生:沼田さんはこの研究で評価されて、学会発表も行いました。とてもよく頑張ってくれました。沼田さんは姿勢がテーマでしたが、ほかの学生の中には、たとえば運動部の子が自分のパフォーマンスを高めるための研究に取り組んでいるケースもあります。

沼田:研究以外の活動として、諏訪部先生が指導している地域のエアロビック教室でアシスタント活動にも力を入れてきました。きっかけとしては、2年生のときに受けた先生のエアロビの授業がすごく楽しくて。その時に先生から「エアロビ教室を見学してみる?」と声をかけてもらい、教室をお手伝いするようになったんです。

諏訪部先生:沼田さんは、3年生の頃は緊張して、自信がなさそうだったけれど、4年生になった途端に覚醒して、指導もトークも格段に上手になりましたね。今では指導者として、1人でクラスを回せるようになったし、生徒さんのケアや講座中のトークも自信を持って行なっていて、とても逞しくなりました。

沼田:自信がついた大きなきっかけは、市民ホールで行われたイベントでした。エアロビ教室の生徒さん30人ほどと一緒にステージでパフォーマンスをしたんですが、その練習を重ねる中で、参加者の皆さんがたくさん声をかけてくださって、自然と打ち解けていけました。私自身も、最初は緊張していたけれど、だんだんエアロビを楽しむ気持ちの余裕が出てきて、「人に教えるって楽しいな」と感じるようになったんです。自分が楽しんでいると、その気持ちはちゃんと周りにも伝わる。そう実感したとき、生涯スポーツの本当の価値ってこういうことなんだな、と強く思いました。

ゼミでの経験を通して、成長したと感じることは?

沼田:先生は「これやってみる?」といろんな機会をくださるんです。学会発表やエアロビック教室もそうですけど、ほかにもイベントの手伝いや小学校での体育授業のサポートなど…、ゼミ以外の活動においてもいろいろとお声がけしてくださるんです。その一つひとつにチャレンジすることで、自分の世界が広がったと感じています。地域の人とのつながりも深くなり、視点や考え方の幅も広がりました。

諏訪部先生:沼田さんは、研究だけでなく、運動指導の現場に入って実践するという、ゼミの枠を超えた学びをしてくれました。そういった機会はたくさん用意しているので、ゼミ生にはどんどんその機会を利用して新たなチャレンジしてもらいたいですね。研究の中でも学びは得られますが、そうした実践の中ではより学びが深まるはずです。

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