流経のゼミ (全員ゼミ)

Seminar
SEMINAR DATA

法学部
法律学科 王ゼミ

教 員
王 偉杰(オウ イケツ)教授
専門分野
商法・会社法
所属期間
3年次〜4年次 通年・混合
構 成
15名(3年生6名/4年生9名、うち留学生6名)
キャンパス
新松戸キャンパス

※取材時(2025年1月7日)の情報に基づく

会社法を通して社会を見る
自分の関心から広がる法的思考

王 偉杰教授
4年 堀尾さん / 3年 チェンさん

王ゼミってこんなゼミ

商法の中でも特に「会社法」をテーマとしており、具体的には株式会社などについての法的ルールを学んでいます。3年生では、特定の企業を取り上げ、その企業が直面している会社法に関する課題について調査・分析を行います。4年生は、さらに一歩進んで、学生自身の興味やキャリアプランに基づいて自由にテーマを設定し、独自の研究・調査を行います。ゼミの時間には、持ち回りで調査結果を発表し、議論を行います。また、毎年恒例の課外活動として、証券取引所などへの見学があります。

王ゼミは、どんなゼミですか?

チェン:王ゼミは、留学生と日本人、3年生と4年生がともに学ぶ、多様性あふれるゼミです。国籍や学年の枠を越え、さまざまなバックグラウンドを持つ学生と交流できるのが魅力です。商法の一分野である「会社法」を軸にしながらも、各自の興味・関心に応じた柔軟な学びを展開しています。

堀尾:3年生は、王先生が提示する会社法の事例から1つ選び、自ら調べて発表します。4年生になると、テーマ選びは完全に自由。会社法に限らず、自分の興味のある分野で探究を深めます。発表は毎週1人ずつ行われ、論理的に考え、他者に伝える力を養う機会となっています。

王先生:本来は、発表の内容がうまくまとまっていなければ“もう一度やってみようか”ということもありますが、これまでのところ、再発表になった学生はいないですね。みんなしっかり準備してくれますし、優れた発表に驚かされることもあります。

Chenさんは3年生ですが、どんな課題を選びましたか?

チェン:「政治献金と会社法の関係」という課題を選びました。政治献金は一般的に政治学上の問題として取り上げられることが多いですが、企業と絡む場合には会社法との接点があるんです。例えば、企業が政治献金を行う場合、その目的やその使用方法を企業の株主や従業員に明確にしなければ、企業の信頼性が損なわれる可能性があります。定款規則に定められている中でどのように行うのが妥当か。といったことを調べました。

王先生:会社法って、実は社会に出てからすごく役立つんです。でも、みなさんはまだ学生で、企業で働いているわけじゃないから、なかなか実感がわきにくいですよね。だからこそ、実際にあった事例をもとに学んでもらうことで「この条文は何のためにある?」「こういうとき、会社はどう動くんだろう?」といったことを考える中で、会社法の大切さが自然と見えてくると思います。それと同時に、「リーガルマインド(物事を論理的・法的に考える力)」を身につけてほしいんです。何か起きたときに感情だけで動くのではなく、論理的に分析して、合理的な解決策を考え出せるようになることです。このマインドはどんな仕事に就いても、きっと大きな力になると思いますよ。

4年生で行う自由発表とは?堀江さんはどんなことを発表しましたか?

堀江:私は「防災」をテーマに「目黒巻」という災害時の行動予測ツールを取り上げました。震災等の大規模災害時に、目黒巻が家庭や企業、地域社会における災害対策として有用性であることの調査・発表をしました。会社法とは一見離れた内容でしたが、防災と法律の接点を探る視点が新鮮でした。

王先生:学生からの発表は私自身にとっても学びになります。たとえば、堀江さんからの発表にあった「目黒巻」というものは私も知らなかったですし、私自身も防災について考えるきっかけになりました。他にも、「民族のコミュニティーについて」とか「薬物問題」など、みなさんそれぞれが興味を持った、バラエティ豊かなテーマを熱心に調べて発表してくれるんです。面白いのは、普段あまり話さない学生でも、自分の好きなテーマになると急に饒舌になったりするんです(笑)。そういう姿を見ると、こちらも嬉しくなりますし、ゼミが知識や経験をみんなでシェアできる場になっているなぁと実感します。

チェン:4年生の先輩方は本当にいろんなテーマで発表してくれたんですが、特に印象に残っているのが就職活動についての発表です。ちょうど就活中だったり、終えたばかりのタイミングの先輩が多かったので、すごくリアルで、今まさに知りたい情報ばかりでした。経験をもとにした話を聞けて、自分がこれから就活を迎えるうえで、とても参考になりました。

王先生の魅力はどんなところですか?

チェン:単に「お金を増やす方法」を学ぶのではなく、情報を整理して判断し、人に説明する力や、チームで動く力も身につけさせてくれるところだと思います。個々の発表やグループワークが多いのもこのゼミの特徴で、自然と発言する習慣が身につきます。グループワークでは、メンバーが毎回変わることで、どんどん仲が深まっていきました。ゼミ外でも遊びに行ったりして、すごく居心地が良かったですね。

堀江:王先生の魅力は、学生を尊重してくれるところ。学生の意見をすごく大事にしてくれて、やりたいことを全力で応援してくれます。それに、先生はとても優しいんです。学生としても先生に対して身構えずに、意見やアドバイスを求めやすく、安心感があります。

王先生:ゼミでは、学生が負担だと思わないように、なるべく楽しく参加できるような場づくりをしているつもりです。学生の“わがまま”も歓迎。あくまで学生主体の姿勢を尊重し、必要なときはしっかりとサポートする。その距離感が、学生の伸びやかな成長につながると思っています。

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