流経のゼミ (全員ゼミ)

Seminar
SEMINAR DATA

経済学部
経済学科 参鍋ゼミ

教 員
参鍋 篤司(サンナベ アツシ)教授
専門分野
経済政策論、企業経済学、応用計量経済学
所属期間
3年次〜4年次 通年
構 成
15名
キャンパス
新松戸キャンパス

※取材時(2025年1月8日)の情報に基づく

データを読み解き、
未来を見通す力を養う

参鍋 篤司教授
4年 鈴木さん

参鍋ゼミってこんなゼミ

「ある現象には、もしかするとこんな要因が影響しているのではないか?」といった仮説を立て、それをさまざまなデータに基づき、検証していくプロセスを学びます。中心となるのは「回帰分析」と呼ばれる手法。回帰分析は、ビジネスや学術研究の分野において重要なデータ解析の手段の一つです。3年生では、回帰分析の基本的な考え方や活用方法を学びます。4年生になると、各自が関心のあるテーマを設定し、回帰分析を用いた卒業論文の作成に取り組みます。なお、回帰分析は、近年注目されている「データサイエンス」分野においても不可欠なスキル。このスキルを習得することは、就職活動や今後のキャリア形成において大きな武器となるでしょう。

参鍋ゼミで学ぶ「回帰分析」とは?

参鍋先生:回帰分析とは、ある結果(たとえば売上や成績など)に対して、影響を与えているさまざまな要因(年齢、経験、立地、気温など)がどのように関係しているのかを数式で明らかにする分析方法です。たとえば、プロ野球選手の成績を分析するとしましょう。打率や本塁打数、打点などのパフォーマンスに対して、年齢や体格、トレーニングの頻度、過去のケガの有無などがどのように影響しているのか。さらには「結婚すると成績が向上するのではないか?」といったユニークな仮説を立てて、その正しさを検証していきます。回帰分析は、ビジネスや社会調査の現場で広く使われているデータ分析の手法の一つです。

データ分析を学ぶのは難しかったですか?

鈴木:もともと文系の私は、データを扱い慣れるまでに少し苦労しました。ゼミでは、初心者でも使いやすい「SPSS」というソフトを使って分析を行なっていくのですが、初めての経験だったので操作にかなり戸惑いました。でも、文系でも理解できるデータ解析の専門書をみんなで読みながら進めていくので、基本からじっくり身につけることができました。仮説の立て方、データの読み取り方、ソフトの操作方法、結果の解釈まで、実践しながら少しずつ力をつけていきます。

参鍋先生:実際にゼミで扱うテーマは、「歩行中の事故発生率」や「タイタニック号の生存確率」、「相撲の勝敗要因」など多岐にわたります。ニュースで話題になった「スシローの迷惑行為事件による株価への影響」といった、時事的なテーマを取り上げることも。そういったテーマに対して、数人ずつのグループに分かれて共同で取り組んでいき、発表を行います。

鈴木:データ分析と聞くと、何か難しそうと感じる人が多いと思いますが、参鍋教授は誰もが興味を持てるような、身近な話題をピックアップしてくれるので、分析の過程を楽しみながら学べます。教室では、みんなパソコンに向かっていて、熱心にキーボードを叩く音が絶え間なく響き渡っている雰囲気なので、少し異様かもしれません(笑)。一見静かに見えるんですが、裏では活発な意見交換が行われていて、エネルギッシュな雰囲気がありますよ。

参鍋先生:データ分析はビジネスの上でも実際に活用の幅が広いスキル。「この店舗の売上が落ちているのはなぜか?」「こんな打ち手を講じれば、改善するのではないか?」といった仮説を立て、それをデータで検証する。この一連のプロセスは、マーケティングや経営戦略、商品企画など、あらゆるビジネスシーンで活かされているものです。メディアやIT業界でも、未来を見据えた仮説と検証をもとにビジネスを展開している例が数多く見られます。AI技術の発展もまた、膨大なデータを解析する力に支えられています。そうした背景もあり、回帰分析をはじめとするデータ分析のスキルは、近年注目されている「データサイエンス」の中核をなすものとして、今後ますます重要になっていくことでしょう。

鈴木さんはIT系の企業に就職が決まったそうですね。

鈴木:はい。IT系の企業に就職が決まり、「AIエンジニア」というポジションで、AIに特化した開発を行う予定でいます。データ分析を学んだからこそ、この道への興味が深まり、この職に就くことができたのだと思います。AIは現在は最先端の技術ですが、おそらく20年後ぐらいは当たり前の技術になるでしょう。だからこそ、今この分野に飛び込んで、未来をつくる側に立ちたいと考えています。

参鍋先生:AIの導入が他の国に比べて遅れている日本では、AI関連の業界がこれから大きく成長すると考えられます。この段階で業界に入ることは将来性がありますし、とても面白い未来が開けることでしょう。ぜひ就職しても楽しみながらスキルアップしていってくださいね。

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