
経済学部 大学院 経済学研究科
渡部 恒彦(ワタナベ ツネヒコ)
WATANABE Tsunehiko
学位:経済学修士
所属 (学部・職位・学内役職) | 経済学部 大学院 経済学研究科 教授 |
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連絡先/ホームページ | twatanabe@rku.ac.jp |
学歴/経歴 | 立教大学経済学部卒業 趣味 |
担当科目 | 経営財務論・証券市場論・1 年演習・大学院経営財務論特攻。 |
授業・ゼミ | 1 年演習 :春学期はテキストを使って,論文・レポートの書き方の基本をゼミ生にレジュメをきってもらいながら学び,秋学期は,経営・経済関係の基本テキストを 1 冊選んで輪読し,各テーマについて議論し合います。
経営財務論:(A)アメリカ企業の目的は株価を上げることでした。投資家は株を買った時よりも高く売れば売買益を手に入れることができます。経営者はそうした投資家の投機(期待)に懸命に応えようとしていました。それは,株主を軽視し,従業員の仕事の習熟に資金を費やし,良品を創るための研究開発にこそ資金を活用してきた従来の日本型経営とは異なります。(B)こうした従前の日本型経営の特徴のひとつとして,事業展開を決めるのも,取締役を選ぶのも代表取締役社長であって,株主は株主総会でその人事案を追認するだけでした。株式には議決権が付与されているので株主は制度面ではまぎれもなく会社経営を動かす力を持っています。しかし日本では代表取締役社長が圧倒的な権力を誇ってきました。ところが,特に21世紀に入って,アメリカの機関投資家が配当を増やすよう要求する等の動きに対し,株主の利益を重視した経営が日本企業でも追求されるようになってきました。(C)ところが株主重視のアングロ-アメリカン型経営の宗主国,合衆国で2019年頃から情勢が変わります。会社の使命を営利ではなく社会貢献に見出すミレニアル世代の揺さぶりを受けて,経営者は多様な利害関係者に配慮し,特に社員への分配率を上げる等,「社会の分断化回避」のための従来にない動きを見せ始め,株価至上主義との決別さえ迫られているのです。周回遅れの日本の経営者も,こうした合衆国での新動向を受けて,改めて企業統治を考え直さざるをえなくなっています。講義では,こうした問題も考えてみます。 証券市場論:証券市場というと,まず証券取引所のことを頭に浮かべ,証券会社のことを考えるでしょう。しかし本講義の根底にあるのは,株式証券市場に限れば,それは株式会社制度の一環であるという考え方で す。証券市場は他のあらゆる理由を超えて,株式会社企業の資本の調達‧運用のための装置です。その装置の仕組みを最初に具体的に説明します。次いで株式価格‧債券価格の決まり方の概要,それとの関連で株式投資 の尺度,株式会社と証券取引所をめぐる日本の制度について解説します。 |
研究・専攻分野 | 経営財務論,証券市場論,アメリカ経済論 |
研究テーマ | 現代合衆国を中心とするグローバル・ネットワークにおける巨大株式会社の所有と支配 |
著書・論文・研究発表 | 《共著》
《主要論文》
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所属学会 | 日本経営学会 証券経済学会 日本経営財務研究学会 日本財務管理学会 日本マネジメント学会 |
社会貢献活動 | |
学生へのメッセージ | 生涯学習という言葉をしばしば耳にしますが,事実上余裕を持って勉学に励める時期は学部卒業を前提にするなら,学部4年間で,また人生を決定づけるのは25歳まで生き方であるという統計もあります。これも再就職を別とすれば,学部4年間が最後のモラトリアムだということを意味します。メグ・ジェイの「人生は20代で決まる」という本があり,その中では脳の成熟やパーソナリティーの形成,仕事選びから生涯賃金のレンジ,生涯つきあう友人,いずれもが20歳台でに決まるというインパクトのある話が書いてあるそうです。どうか皆さん,それぞれに有意義な最後の学生時代を送って下さい。 |