法学部

龍ケ崎 新松戸

Law

法学部

自治行政学科

学びの特色

  • 特色1

    公務員志望者を
    徹底的にサポート

    都道府県庁や市役所勤務を目指す人に、試験勉強から面接対策まで、きめ細かいバックアップを行います。

  • 特色2

    警察官・消防官志望者の
    実践的学びを支援

    通常授業・課外講座による充実した試験対策に加え、サークル活動を通じた現場で役立つ学びも豊富です。

  • 特色3

    多彩な進路への
    対応

    金融・不動産・物流など、ビジネス界で必要とされる法的思考力を、理論と実践の両面から育みます。

学びの分野

  • 公共法務

    #自治体 #地方財政 #人権擁護 #社会保障

    県庁・市役所などの公務員として地域社会に貢献できる人材を目指す学びです。憲法、行政法、政治学、行政学などを中心に学び、地域の課題を解決する政策形成能力を養います。
  • 地域共創

    #地域おこし #コミュニティ #観光 #文化

    地域の問題解決には民間企業やNPOなどと自治体の協働が不可欠です。ビジネスを通してまちづくりに貢献できる人材を目指し、地域政策論やコミュニティ論などを学びます。
  • 地域の安全と防災

    #防災政策 #危機管理 #刑事手続 #スポーツ

    警察官・消防官など、地域の安全や防災に貢献できる人材を育成するために、防災政策論や警察・消防行政概説などを開講し、安全・安心の実現に向けた政策構想力を養います。

自治行政学科の“実学”

  • 実践事例から学ぶ
    コミュニティ論

    この授業では、私たちの日常生活、環境を考えるうえで必要なコミュニティ論の基礎や、コミュニティによる現代的な諸問題の解決に向けた実践事例について学びます。ワークショップ形式の授業も行っています。

  • エビデンスに基づく政策形成
    (田中ゼミ)

    エビデンスに基づく政策形成とは、政策目的を達成するために効果的な方法は何か、根拠をもって示す政策立案の一連の流れを指します。ゼミでは少子化対策を題材に、松戸市と流山市の政策を比較します。

自治行政学科ゼミテーマ一覧(一部抜粋)

  • 日本とはどのような国・社会なのか(植村ゼミ)
  • 身近な地域課題を調べて考える(唐崎ゼミ)
  • まちづくり政策の比較研究(尾内ゼミ)
  • エビデンスに基づく政策形成(田中ゼミ)
  • これからの労働法政策を考えよう(石川ゼミ)
  • 危機管理と時事問題(塚田ゼミ)
  • 現場で学ぶ憲法(栗田ゼミ)
  • 事例から学ぶ行政法(周ゼミ)
  • 刑事法上の重要問題について考える(島田ゼミ)
  • ガバナンス時代における人材育成(坂野ゼミ) など

カリキュラム

1年生

学びの分野
公共法務
地域共創
地域の安全と防災
必修科目
基本科目
  • 1年演習
  • 情報リテラシー演習
  • データリテラシー演習
必修科目
専門共通科目
  • 市民と法
  • 民法1(総則)
  • 国家と法
選択必修科目
キャリア科目
  • 法学部生のキャリアデザイン

2年生

学びの分野
公共法務
地域共創
地域の安全と防災
必修科目
基本科目
  • 2年演習
選択必修科目
専門基幹科目
  • 行政法(行政作用法)ⅠⅡ
  • 政治学原論ⅠⅡ
  • 行政学ⅠⅡ
  • 地域政策論ⅠⅡ
  • 国際法ⅠⅡ
  • 法制史ⅠⅡ
  • 憲法B C
  • 民法2(物権)
  • 民法3(債権各論)ⅠⅡ
  • 家族法ⅠⅡ
  • 刑法(総論)ⅠⅡ
  • 刑法(各論)ⅠⅡ
  • 公務員制度論
  • 日本政治論ⅠⅡ
  • 警察・消防行政概説ⅠⅡ
  • 法律実務研究
  • 西洋政治思想
選択科目
専門展開科目
関連科目
  • 法社会学
  • 民事訴訟法ⅠⅡ
  • 公共法務特殊講義(行政職)ⅠⅡ
  • 法律専門職研究
  • 財政学ⅠⅡ
  • 民法5(担保法)
  • 地域起こし政策論
  • 観光の法と政策
  • 商法(会社法)ⅠⅡ
  • 法と文化ⅠⅡ
  • 社会心理学
  • 法社会学
  • 刑事手続法ⅠⅡ
  • 法律専門職研究
  • コミュニティ論
  • 地域社会学

3年生

学びの分野
公共法務
地域共創
地域の安全と防災
必修科目
基本科目
  • 3年演習
選択必修科目
専門基幹科目
  • 社会保障法
  • 地方自治法
  • 自治体経営論
  • 労働法ⅠⅡ
  • 消費者法
  • 行政法(行政救済法)
  • 危機管理論
  • 防災政策論
  • 国際協力論
選択科目
専門展開科目
関連科目
  • 民事執行・保全法
  • 経済法ⅠⅡ
  • 地方財政論
  • 知的財産法
  • 公共法務研究
  • マクロ経済学ⅠⅡ
  • ミクロ経済学ⅠⅡ
  • 外国法
  • 経済法ⅠⅡ
  • 税法(法人税法)
  • 法律専門職特殊講義(行政書士)ⅠⅡ
  • 法律専門職特殊講義(宅建士)ⅠⅡ
  • 商法(会社法)Ⅲ
  • スポーツと法(契約)
  • スポーツと法(事故・人権)
  • 公共法務研究
  • 法学特殊講義
  • 民法4(債権総論)

4年生

学びの分野
公共法務
地域共創
地域の安全と防災
必修科目
基本科目
  • 4年演習

授業Pick up

地方自治概論

地方自治概論は、地方自治に関わる制度や機構を正確に理解することからスタートします。国と地方の関係、都道府県と市町村の役割分担などを概観し、住民参加や地方財政の問題も取り上げていきます。地方自治体のトップである首長や現場で活躍する職員の方から直接お話を聞く機会もあります。受講者が自分の居住する自治体の政策を調べて発表する時間を設けていることも、本授業の特徴です。

公務員制度論

ひとくちに公務員といっても、さまざまな種類があります。授業では、公務員制度に関する基礎的な知識について歴史や法律などを通して理解するとともに、海外の公務員との比較から日本の公務員制度の特色を把握します。

警察・消防行政概論Ⅰ・Ⅱ

警察と消防の任務、組織、活動を法制度と実態の両面から学びます。警察、消防に関する基本的知識を習得するとともに、警察官・消防官の心構えを理解し、将来の職業選択に役立てます。

STUDENT’S VOICE

地元・牛久市の
地域振興を目指しています

夏休みに龍ケ崎市役所企画課のインターンシップに参加、市民アンケート調査を手伝いました。市民の疑問に答えられるよう、現在は民法の学修に力を入れています。将来は生まれ育った牛久市の市役所職員として、地域の振興に携わりたいですね。

法学部 自治行政学科 2年(取材当時)
鈴木 乃々佳さん

鈴木さんの1日のスケジュール

1 9 : 0010 : 30
2 10 : 4512 : 15 西洋文化論Ⅱ 地方自治論Ⅱ 民法Ⅱ(物権)
3 13 : 0514 : 35 地域おこし政策論 日本文学Ⅱ 生態学Ⅱ 2年演習(ゼミ)
4 14 : 5016 : 20 キャリア
デザインⅡ
English
Communication
初級Ⅱ
法制史Ⅱ インターンシップ
5 16 : 3518 : 05 法律実務研究

埼玉県吉川市役所 内定

先生や先輩が公務員対策を後押し

当初から自治体職員を志望。公務員試験対策のスタートは、2年次の4月でした。ゼミの先生や自治体職員として活躍中の先輩から、情報提供や面接対策をしていただいたのが効果的だったと思います。これまでに学んだ公務員としてのノウハウや地域づくりのための知識を、日々の業務につなげていければと考えています。

法学部 自治行政学科 武井 椋亮さん

GRADUATES’ VOICE

法律関係の知識が 今も役立っています

2020年度 法学部 自治行政学科卒業
小田 智也さん

松戸市立総合医療センター事務局管財課職員として、病院で使用する物品の契約や購入、管理に関する職務に就いています。市役所職員や警察官を目指していたので、在学中は地方自治や刑法などの法律関係を中心に学び、現在でも役に立っています。就職活動では、特にゼミからのサポートが手厚かったですね。公務員試験全般から面接やエントリーシートへの対応までと幅広く、ゼミの先生や公務員として活躍されている先輩方からご指導いただきました。現在、どの市役所でも災害などに対する備えの重要性が認識されるようになっています。これから公務員を目指す方は、法律全般はもちろん、防災や危機管理についても学ぶと良いでしょう。今後も市民全体の奉仕者として、どの部署に配属されても大学で学んだ知識やゼミ活動での経験を糧に貢献していきたいです。

ゼミ活動を通じて 働く人の想いに触れ 目指した町役場へ

2018年3月 法学部 自治行政学科卒業
秋山 裕作さん

大学1年生の頃から、街に住む人に最も近いところで仕事をしたいという想いがあり、公務員に関心を持っていました。ゼミ活動の一環で、利根町の観光事業について他大学の学生と一緒に調査・研究した際、利根町役場の方々の強い想いを知り、ここで働きたいと思い志望しました。現在は利根町で施行される条例や規則の審査、選挙の事務などの仕事を担当しているため、大学の授業やゼミ、サークルで学んだ憲法や民法などの法律に関する知識が、業務でも活きています。自分が携わった条例や規則が実際に運用されている場面を見て、まちの役に立てていると実感し、やりがいを感じています。

取得可能な教員資格

  • 中学校教諭一種免許状「社会」
  • 高等学校教諭一種免許状「公民」

目指せる進路

  • 地方公務員(県庁・市役所など)
  • 国家公務員
  • 独立行政法人職員
  • 行政書士
  • 警察官
  • 消防官
  • 中学・高校教員
  • スポーツ関連業界 など

最新NEWS

2025.11.06 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

法律を学び、仲間と共に成長する——法律学習サークル「龍法会」の魅力 法学部で広がる未来の自分の可能性:第37回

法学部の学びをより身近に、より楽しく——。流通経済大学の龍ケ崎キャンパスを中心に活動する「龍法会」は、法律を学ぶ学生が集まり、勉強会や模擬裁判、裁判傍聴、国会見学などの様々なイベントを通して実践的に法を学ぶサークルです。先輩・後輩の仲も良く、大学生活を充実させたい学生にぴったり。今回は、会長の降籏昂平さんに、龍法会の活動内容や魅力についてお話を伺いました。ぜひご覧ください。

──降籏さん、本日はよろしくお願いいたします。
降籏:初めまして、龍法会の会⾧をしている降籏昂平です。本日は、よろしくお願いします。

──はじめに龍法会というサークルについて教えてください。
降籏:龍法会は、法律の勉強を通じて学生生活をより豊かにすることを目指して、龍ケ崎キャンパスをメインに活動しています。普段の活動では、一番身近な法律である民法や憲法について、顧問の先生方も交えてみんなでワイワイ楽しく勉強しています。また、法律サークルらしいイベントを開催することもあります!

──イベントというのはどういったイベントなのでしょうか?
降籏:法律に関連した場所を見学するイベントを行うことが多いです。今年の夏休みには、東京地裁へ裁判傍聴に行きました。また、新松戸キャンパスで活動している法友会と合同で国会見学も実施しました。次の春休みには、茨城県議会も見学しにいく予定です。

──新松戸キャンパスの学生とも交流があるんですね。
降籏:はい、新松戸キャンパスの法律サークルの法友会のメンバーとは、お互いの勉強会に参加しあったり、協力して学園祭に出店したり、また合同のイベントとしてOBOG座談会を開催したりしています。今年の夏休みには大学のオープンキャンパスで模擬裁判を行ったのですが、そこでも法友会の方々には協力してもらいました。

──サークルで模擬裁判を行うというのは面白そうですね。
降籏:新松戸の法友会が昨年のオープンキャンパスで模擬裁判を行ったという話を聞いて、龍法会でもやってみたいという声が上がったため、今年は龍法会が主導して、8月のオープンキャンパスで模擬裁判を行いました。慣れないことも多く最初は大変でしたが、先生方の指導のもと練習を重ねる内に演技も上手くなっていき、当日は100名以上の方が見にきて下さいました。

──いい経験になりましたね。サークルの雰囲気などについても教えていただけますか?
降籏:法律学習サークルと聞くと堅い感じがすると思いますが、実際には先輩・後輩関係なく和気あいあいと活動しています。活動外の時でも、勉強や大学生活、就活などの悩み事を先輩に相談することもあれば、みんなでカラオケやご飯に行ったりすることも多いです。あと龍法会には公務員志望のメンバーが多いのも特徴で、実際に公務員になったOB の先輩も多いです。

──公務員を目指している方が多いということは、やはり真面目な学生が多いのでしょうか?
降籏:たしかにそういう面もあるかもしれませんが、私としては、法律を勉強するだけではなく、法学部に所属する学生にとって憩いの場になれるようにと思って活動しています。実際に、勉強会よりもイベントの方を中心に参加する学生も多くいますし、また、昨年度から部室も使用できるようになったので、そこを中心に交流する時間が一番楽しかったりします。

──部室を中心に活動するのはいかにも大学のサークルという感じがしますね。
降籏:以前からメンバー内で、いつでも気楽に勉強したり、雑談したり、自由に使える場所があったらいいよねという意見があり、大学の担当部署に掛け合った結果、ようやく部室を使わせてもらうことができるようになりました。当初は部室の中に以前使用していた団体の道具や私物などが散乱している状況だったので、みんなで部室を綺麗にしたりと大変でしたが、今では部屋も整頓されて、まさしく憩いの場を作れたという感じです。

──皆さんで協力して良い活動の場が作れたのですね。それでは最後に、記事の読者の方へのメッセージがあればお願いします。
降籏:龍法会は、みんなで法律を勉強したい方、イベントを企画・参加したい方、大学生活を楽しみたい方、法学部の人はもちろん、法学部以外の方も大歓迎です!!興味を持った方は、ぜひ一度龍法会を見に来て下さい!!お待ちしています。

2025.10.23 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

キャリアは法廷だけじゃない!─法学部生の未来を広げるキャリアデザイン  法学部で広がる未来の自分の可能性:第36回

法学部生の進路は弁護士や裁判官だけではありません。民間企業や官公庁に就職する学生はもちろん、資格や技能を活かして経営者として独立する卒業生も少なくありません。流経大の法学部では、学生たちに将来のキャリアについて考えてもらうために、法の知識を使って活躍している様々な分野の社会人の方を招いて、法とキャリアについて話をしてもらう授業(法学部生のキャリアデザイン)を展開しています。今回は、この授業を担当している法学部の唐﨑先生に、授業の内容や魅力についてお話しいただきました。法学部生のキャリアに関心のある方はぜひご覧ください。

──唐﨑先生、本日はよろしくお願いします。早速ですが、先生の担当されている「法学部生のキャリアデザイン」というのはどのような授業なのでしょうか?
唐﨑:「法学部生のキャリアデザイン」は、様々なキャリアをもつゲストの方からお話を伺い、将来の進路選択に役立ててもらうという、法学部独自の授業です。法学部生の進路として想定される様々な分野で活躍されているゲストを毎回お招きしてお話しいただいています。ゲストは、流通、保険、起業家、地方自治体、警察、消防、裁判所、弁護士、司法書士、行政書士など実に多彩です。

──「キャリアデザイン」というのはどういう意味の言葉なのでしょうか?
唐﨑:キャリアデザインの「キャリア」とは、もともとの語源はラテン語で馬車が通った後にできる「轍(わだち)」を意味する言葉です。それが転じて、人のたどる軌跡・経歴を意味する言葉となりました。つまり、キャリアとは仕事を含めた人生そのものといってよいでしょう。キャリアデザインとは、単にどの職業を選ぶかではなく、自分がどうなりたいのかを考え、将来の仕事と生活を自分で設計することです。そのための力を身に付けるのが「法学部生のキャリアデザイン」の授業です。

──授業の具体的な内容についても教えてください。
唐﨑:授業では、ゲストから現在のお仕事の内容や魅力、ご自身のこれまでのキャリア、また子育てを経験されている方には、お仕事との両立(ワークライフバランス)についてお話しいただくこともあります。公務員の方々には、職員の採用試験やその対策についてもお話を聞いたりしています。なかには、仕事をしていくなかでの挫折や、それをどう乗り越えていったか、その人の生きざまを感じられるようなお話をお聞かせいただくこともあります。学生は単にお話を聞くだけでなく、積極的に質問をしてもらっています。

──とても興味が湧いてきました。この授業は法学部の学生は誰でも受講できるのでしょうか?
唐﨑:本学の法学部には、法律学科と自治行政学科の2つの学科があり、法律学科は法の知識をビジネスや社会生活に広く活用できる点に、自治行政学科は地方自治や地域づくりに関する政策立案力を身につけられる点に強みを持ちます。もっとも、法学部生であれば学科を問わず、誰でもどの法学部の授業でも受講できるようになっており、どちらの学科に所属していてもこの授業を受講できます。ただし、法学部のキャリアデザインに関しては、大学生活のなるべく早い段階で受講してほしいので、1年次あるいは2年次での受講を推奨しています。

──ありがとうございます。ちなみに、この授業では実際の就職にあたってのサポートなどもしてくれるのでしょうか?
唐﨑:キャリアデザインというのは、単にどの職業を選ぶかを考えることではありませんが、学生のみなさんにとっては、卒業後の就職先を選ぶことが最大の関心事だと思います。でも、安心してください。本学の就職キャリア支援センターでは、どのような就職先があるか、どのような対策をとればよいかなど、学生が就職先について個別に相談でき、専門のスタッフが親身にサポートしてくれます。ですが、就職キャリア支援センターが就職先を決めてくれるわけではありません。決めるのは学生の皆さんであって、その道しるべの役割としてこの授業があると思います。

──この授業の位置付けがとてもよくわかりました。それでは、授業を受講する学生には、どんな姿勢で授業に臨んでほしいと考えていらっしゃるかも教えていただけますか。
唐﨑:中島みゆきさん作詞・作曲の「宙船(そらふね)」という曲をご存じでしょうか。この曲は2006年にTOKIOに提供されてヒットし、甲子園での高校野球大会の入場行進曲にも選ばれました。「宙船」の歌詞には、「その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」という一節があります。自分の進む道は自分自身で切り開け、というメッセージが強く伝わってきます。学生の皆さんには、この歌詞にあるようなメッセージを心に秘めつつ、授業に臨んでもらいたいと思います。もし、この授業のテーマソングを選べるとしたら、この「宙船」を選びたいです。

──これから社会に出ていく学生にとっては、とても大切な心構えですね。最後にこの記事の読者や学生に対してメッセージがあればお願いします。
唐﨑:これまで「法学部生のキャリアデザイン」の授業についてお話をしましたが、ほかの法学部の専門科目の授業でも、外部からゲスト講師を招いてお話しいただくことがあります。様々な職種で活躍するゲスト講師の皆さんのお話からは、私たち大学教員の授業だけでは得られない実践的な学びがあると思います。お話を聞くなかで、「自分はこうなりたい」と思う瞬間があるかもしれません。学生の皆さんには、自分の進む道を自分自身で切り開くためのヒントをつかみとってくれることを期待しています。

※「法学部生のキャリアデザイン」はカリキュラム改定により、2026年度以降は「ライフステージと法」、「グローバル社会の法と政治」といった総合科目へ改編することが予定されています。

2025.10.10 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

留学生だからこそ法律を学ぼう!~すべての留学生に伝えたいこと〜  法学部で広がる未来の自分の可能性:第35回

 日本の大学に学びの場を求めて来日する留学生は年々増え続けていますが、その一方で、大学の学部・学科選びに苦労する方も多いようです。その選択は、人生の価値を形づくる大きな一歩です。では、留学生にとって本当に大切な学びとは何でしょうか。そして、大学での学びをどのように自分自身の成長につなげていけるのでしょうか。今回はその問いを手がかりに、本学法学部で商法系科目を担当し、自身もかつて留学生として日本に学びに来ていた王偉杰先生にお話を伺いました。

──王先生、本日はよろしくお願いいたします。先生も、かつて留学生として日本で学ばれていたのですよね。まずは、そのときのお話をお聞きしても良いですか?
:元留学生の王です。今日はよろしくお願いいたします。私は高校卒業後に日本に来ました。右も左もわからない18歳の少年がいきなり異国に来たわけですね(笑)。最初の頃は、アパートを借りるための契約や、アルバイトをするための手続きなど、色々な場面で戸惑ってしまうことがありました。

──日本での生活は大変だったのですね。その中で王先生は法学部へ進学されたわけですが、中国ご出身の王先生が法学部で学ぼうと思った理由も教えてもらって良いでしょうか?
:いろいろな場面で戸惑う中で「日常生活の中で法律の知識があったら助かるな」と実感したことが法学に興味を持つきっかけでした。そして勉強を続けるうちに、法律が社会のあらゆるところに関わっていることが分かり、法学部へ進学しようと決めたんです。

──ありがとうございます。では、今のお話とも関わりますが、一般的にいって、留学生の立場で、法律を学ぶ意義や魅力はどんなところにあるのかも教えてください。
:留学生が法律を学ぶことの意義や魅力は、まず日本社会の仕組みを理解できる点にあります。法律は、家族の関係から買い物、アルバイトといった日本社会のあらゆる場面に関わっているだけでなく、その内容も日本の社会や文化をもとに作られています。法律を学ぶことにより、日本社会の基礎にある様々な考え方に触れ、日本社会の仕組みを理解することができます。これは日本で生活している留学生にとって大きな学びになるでしょう。

──なるほど、法律を学ぶことで日本社会をより深く知ることができるんですね。
:はい。ですがそれだけではありません。法律を学ぶことにより、リーガルマインドを身に付けることができるという点も重要です。リーガルマインドとは、法的視点から物事を体系的に整理し、問題点を的確に抽出して、公正な解決へと導く論理的思考力のことです。法律の勉強は条文を暗記することではありません。大切なのは、「なぜこのルールがあるのか」、「このルールはどんな場面で役に立つのか」、「このルールで本当に問題を解決できるのか」といったことを考え続ける姿勢です。こうした思考の積み重ねを通じて、リーガルマインドが鍛えられ、磨かれていきます。リーガルマインドを身に付けた者はどの業界においても重宝されるでしょう。

──リーガルマインドという言葉は初めて聞きましたが、とても重要なものなのですね。
:そういうことです。さらにいうと、法律を学ぶことは、ルールを大切にする姿勢、つまりコンプライアンス意識の涵養にもつながります。ルールを守ることの重要性を理解しながら、多様な価値観を受け入れ、誠実に行動する姿勢を自然と身に付けることができるということです。これはどんな社会で生きるためにも必要な資質ですが、異国で暮らす留学生には、特に強く求められるものです。
留学生にとっては、社会の仕組みを知り、リーガルマインドを磨き、そしてコンプライアンス意識を育むことは、将来の可能性を大きく広げることにつながります。法学こそが、留学生が日本で未来に羽ばたくための最強武器なのです。是非この武器を手に入れてほしいですね。

──ありがとうございます。法律を学ぶことの重要性がよく分かりました。ですが、法学は留学生にとって難しくはないのでしょうか?
:確かに、最初は難しく感じるかもしれません。条文には独特の言葉遣いがありますし、理論も抽象的でとっつきにくい印象がありますからね。でも、だからといって、留学生が法学を避ける必要はまったくありません。むしろ「留学生だからこそ法律を勉強しましょう」と叫びたいところです。

──それはどういうことなのでしょうか?
:法律を学ぶことは、日本語の上達にも大いに役立つからです。法学は、説得力を競う「言葉の学問」ですから、条文や判例を読み解き、自分の考えを正確な言葉で整理して表現する訓練を常に行います。そのため、他の分野よりも日本語力を早く伸ばすことができます。言い換えれば、法律を勉強すれば、日本語力も自然に高まっていきます。まさに一石二鳥ですね。

──日本語の勉強にもつながるというのは留学生にとっては重要ですね。
:そのとおりです。また、学んでいくうちに、必ず法学の面白さに気付くはずです。法律は極めて合理的に作られています。高い合理性を備えた法律の内容は、私たち一般人の感性にも合致するはずです。法律の勉強を続けていると「なるほど」と腑に落ちる瞬間が次々に訪れ、ときには痛快感さえ味わえるでしょう。もちろん、留学生の場合にはすぐには納得できないルールもあるでしょう。これは文化的な背景が異なるからです。ですが、日本社会の仕組みを理解し、母国との違いを把握したうえで改めて考えてみると、「なるほど」感を味わうとともに、一段と深く法を理解することができるでしょう。それは留学生ならではの強みだと思います。

──ありがとうございます。では次に、法学部で学ぶ留学生には、将来どのような進路が考えられますか?
:法学部での学びは、実に幅広い分野で生かすことができます。本学法学部で学ぶ留学生も、リーガルマインド、コンプライアンス意識および国際感覚が評価され、その大半が、さまざまな民間企業に就職しています。また、学んだ法律知識を利用して宅地建物取引士、行政書士等の資格を取得し、専門家として特定の業界・分野で活躍する人もいます。さらに、法学を深く学びたいと考えて、大学院への進学を選んだ人もいますね。

──最後に、読者の方、特に進学のことで悩んでいる留学生へのメッセージをお願いします。
:進学先を決める際には、「将来どんな自分になりたいのか」をしっかり考えることが重要です。法律を学ぶことで、社会の仕組みを理解し、ルールを大切にする気持ちを培うことができます。さらにリーガルマインドを身に付けることで、社会で活躍できる力が高まり、将来の可能性も大きく広がっていくでしょう。法学は、日本での生活に必ず役に立ちますし、将来どの道に進んでも皆さんの支えとなるはずです。千里の道も一歩から、どうか安心してこの一歩を踏み出してください。私たち法学部の教員は、皆さんの挑戦を心から応援しています。

──王先生、本日はありがとうございました。

2025.10.01 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

身近な生活と法律のつながりを学ぶ!〜民法総則の授業の魅力とは〜  法学部で広がる未来の自分の可能性:第34回

法律は、私たちの日常生活と密接に関わっています。スマホの契約や友人とのお金の貸し借りも、実は「民法」という法律のルールに基づいて行われています。今回は本学法学部で「民法総則」の授業を担当する大塚先生に、生活に身近な例を交えながら、授業のなかで何を学べるのかを伺いました。自分や周囲の人を守る力を身につけることのできる、とても魅力的な授業となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。


──本日はよろしくお願いいたします。まずはじめに、大塚先生が民法を研究しようと思ったきっかけを教えてもらえますか?

大塚:民法を研究しようと思ったきっかけはいろいろあるのですが、一番の理由は、民法が私たちの生活に最も身近な法律だと感じたからです。例えば、友達にお金を貸したり、スマホを分割払いで買ったり、アパートを借りたり。こうした日常の何気ない行動一つひとつについての「ルール」を整理してくれているのが民法なんです。そう考えたらとても面白くて、民法を研究したいと考えるようになりました。

──ありがとうございます。では、先生が担当されている「民法総則」という授業ではどんなことを学ぶんですか?

大塚:民法にはたくさんのルールが定められているのですが、その「入口」にあたる部分が「総則」です。ここでは「社会生活の大原則」とでもいうべきルールが書かれています。例えば「18歳から大人として扱われる」といった年齢に関する決まりや、「契約はどうすれば成立するのか」といった契約の基本ルールが定められています。このような社会生活の基本ルールを学ぶのが「民法総則」の授業です。

──大学生や高校生の日常生活とも関係があるのでしょうか?

大塚:大いにあります。例えばアルバイトをするときの「雇用契約」、スマホやパソコンを買うときの「売買契約」、定期券の購入契約などは、すべて民法総則に定められたルールを基礎にして行われています。また、2022年から成人年齢が18歳に引き下げられましたが、これも民法総則に定められたルールです。18歳になれば保護者の同意なしに自分で契約ができる一方で、トラブルに巻き込まれるリスクも増えるという話は聞いたことがあると思います。このような社会問題の背景にあるルールを理解するのが、まさに民法総則の学びです。

──ありがとうございます。では次に、民法総則を学ぶ意義や魅力はどんなところにあるのかも教えてください。

大塚:大きな魅力は「自分や他人を守れるようになる」ということです。法律を知っていると、どんな行為が正しくて、どんな行為が不公平なのかを冷静に判断できます。例えば、友達が怪しい契約を結びそうになったときに「それは危ないかも」と気づいて止められるかもしれませんし、自分自身が不利な条件を押しつけられたときに「これはおかしい」と堂々と言えるようになります。ルールを知ることで、安心して生きる力を手に入れることができるんです。

──将来の進路にはどうつながるのでしょうか?

大塚:もちろん弁護士や裁判官といった法曹を目指す人にとっては必須ですが、それ以外の道にも役立ちます。会社員として契約を結ぶ場面、公務員として市民の相談に応じる場面、さらには日常生活の中でも役に立ちます。社会に出れば誰もが契約やルールと関わらずにはいられません。だから民法総則の知識は「一生もの」だと言えるでしょう。

──最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

大塚:「法律」というと堅苦しいものに感じるかもしれませんが、実際には法律は皆さんの日常のすぐそばにあります。アルバイト、買い物、SNSでのやり取りも、法律の枠組みの中で行われています。大学で民法総則を学ぶことは、社会の仕組みを知り、自分の力で未来を切りひらく準備をすることでもあります。少しでも「面白そうだな」と思った人は、ぜひ法学部で一緒に学んでみましょう。

──大塚先生、本日はありがとうございました。

2025.09.25 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】島田ゼミが合宿を行いました

 9月8日から10日にかけて、法学部の島田ゼミが、千葉県千葉市(幕張)でゼミ合宿を行いました。
 今回の合宿では、「転売の法的な境界線とは―刑法的観点からの分析-」、「正当防衛と過剰防衛の違い」などについて、班ごとの調べ学習の成果を発表するとともに、「司法取引制度について」賛成側、反対側に分かれてディベートを行ったほか、刑法の判例を題材として、「放火罪の既遂時期」、「犯人が考えていたことと異なる結果が生じた場合の故意の成否」などの問題について、検察側、弁護側に分かれて裁判形式での討論も行いました。ディベートや討論では、司会進行だけでなく、勝敗を決める審判や裁判官役も学生が務め、充実した学びの時間を過ごしました。
 また、2日目の夜には懇親会も行いました。日中にときに笑いを交えながらも真剣に議論を交わしていた雰囲気とは異なり、ゼミ生同士の親睦を深める和やかなひとときとなりました。
 事前準備は非常に大変だったようですが、普段の授業よりも質問や批判・反論をする時間を十分にとることができ、3年生からも活発な発言を聞くことができました。ディベートにおける役割分担、テーマ決定、宿泊場所から懇親会の場所の手配まで、学生が主体的に行動してくれ、上級生が下級生をリードしつつ、互いに学び合う姿も見られ、ゼミ全体としての一体感や相互の成長を強く感じました。(担当教員)

【参加学生のコメント】
合宿では、難しい問題もありましたが、皆と楽しくディベートを行うことができ、自分から積極的に発言する良い機会となりました。また、食事を共にすることで交流も深まり、合宿を通じて貴重な社会経験を得ることができました。(法律学科3年)

ゼミ合宿を通じて、これまで大学生活の中でも関わることが少なかった先輩方と活動を共にすることができました。授業に関する話だけでなく、就活の体験談や雑談を交わす中で距離が縮まり、合宿に行ったからこそ得られた貴重な経験となりました。(自治行政学科3年)


2025.08.27 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】法廷傍聴に行ってきました【実学】

法学部の学生が「法律実務研究」という授業の一環で、2025年6月19日・24日・26日に千葉地方裁判所松戸支部にて法廷傍聴を行いました。
この授業は、数週間の事前学習を経た上で、受講生たちが裁判所で行われる実際の刑事裁判を見学するというもので、法学部の提供する実学教育の取り組みの1つです。参加した学生の感想・意見をいくつか紹介します。

・ドラマにはない張り詰めた空気が漂い、弁護士、検察官双方が早口で話していたところにリアルさを強く感じた。これを機に個人でも裁判傍聴にも行きたくなった。

・今回の裁判傍聴で法律がどれだけ社会を支えているのかを実感しました。このような経験により裁判により深く興味を持ったため、プライベートで大きな事件の裁判を見に行きたいと感じました。

・裁判傍聴をしたのが初めてだったこともあり、ズッシリと重たい場の空気を実感できた。加えて、裁判というものがどのように行われているのかを間近で体感でき、司法制度がどれほど国の重大なものなのかも認識することができた。

・傍聴した事件の被告人に相談できる人がいれば、選択は変わったと思いました。つらくなった時に犯罪行為を選んでしまった事を残念に思います。今回の裁判傍聴はとてもいい経験でした。また傍聴に行きたいです。

・被告人は、しっかり教育やカウンセリングを受けて科学的に改善していくことができれば良いと感じました。今回初めて法廷傍聴をして、実際の裁判の雰囲気を感じ取ることができ、とても有意義な経験になりました。

・薬物依存の深刻さと恐ろしさがにじんでいた。自首し、自ら過ちを認めた被告人の姿勢には誠実さを感じたが、それだけで再発防止が保証されるわけではない。今後、医療的・社会的支援がどれだけ機能するかが、再犯防止のカギとなる。刑罰だけでなく、回復と支援を見据えた社会の対応が求められていると感じた。

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