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キャリアは法廷だけじゃない!─法学部生の未来を広げるキャリアデザイン  法学部で広がる未来の自分の可能性:第36回

法学部生の進路は弁護士や裁判官だけではありません。民間企業や官公庁に就職する学生はもちろん、資格や技能を活かして経営者として独立する卒業生も少なくありません。流経大の法学部では、学生たちに将来のキャリアについて考えてもらうために、法の知識を使って活躍している様々な分野の社会人の方を招いて、法とキャリアについて話をしてもらう授業(法学部生のキャリアデザイン)を展開しています。今回は、この授業を担当している法学部の唐﨑先生に、授業の内容や魅力についてお話しいただきました。法学部生のキャリアに関心のある方はぜひご覧ください。

──唐﨑先生、本日はよろしくお願いします。早速ですが、先生の担当されている「法学部生のキャリアデザイン」というのはどのような授業なのでしょうか?
唐﨑:「法学部生のキャリアデザイン」は、様々なキャリアをもつゲストの方からお話を伺い、将来の進路選択に役立ててもらうという、法学部独自の授業です。法学部生の進路として想定される様々な分野で活躍されているゲストを毎回お招きしてお話しいただいています。ゲストは、流通、保険、起業家、地方自治体、警察、消防、裁判所、弁護士、司法書士、行政書士など実に多彩です。

──「キャリアデザイン」というのはどういう意味の言葉なのでしょうか?
唐﨑:キャリアデザインの「キャリア」とは、もともとの語源はラテン語で馬車が通った後にできる「轍(わだち)」を意味する言葉です。それが転じて、人のたどる軌跡・経歴を意味する言葉となりました。つまり、キャリアとは仕事を含めた人生そのものといってよいでしょう。キャリアデザインとは、単にどの職業を選ぶかではなく、自分がどうなりたいのかを考え、将来の仕事と生活を自分で設計することです。そのための力を身に付けるのが「法学部生のキャリアデザイン」の授業です。

──授業の具体的な内容についても教えてください。
唐﨑:授業では、ゲストから現在のお仕事の内容や魅力、ご自身のこれまでのキャリア、また子育てを経験されている方には、お仕事との両立(ワークライフバランス)についてお話しいただくこともあります。公務員の方々には、職員の採用試験やその対策についてもお話を聞いたりしています。なかには、仕事をしていくなかでの挫折や、それをどう乗り越えていったか、その人の生きざまを感じられるようなお話をお聞かせいただくこともあります。学生は単にお話を聞くだけでなく、積極的に質問をしてもらっています。

──とても興味が湧いてきました。この授業は法学部の学生は誰でも受講できるのでしょうか?
唐﨑:本学の法学部には、法律学科と自治行政学科の2つの学科があり、法律学科は法の知識をビジネスや社会生活に広く活用できる点に、自治行政学科は地方自治や地域づくりに関する政策立案力を身につけられる点に強みを持ちます。もっとも、法学部生であれば学科を問わず、誰でもどの法学部の授業でも受講できるようになっており、どちらの学科に所属していてもこの授業を受講できます。ただし、法学部のキャリアデザインに関しては、大学生活のなるべく早い段階で受講してほしいので、1年次あるいは2年次での受講を推奨しています。

──ありがとうございます。ちなみに、この授業では実際の就職にあたってのサポートなどもしてくれるのでしょうか?
唐﨑:キャリアデザインというのは、単にどの職業を選ぶかを考えることではありませんが、学生のみなさんにとっては、卒業後の就職先を選ぶことが最大の関心事だと思います。でも、安心してください。本学の就職キャリア支援センターでは、どのような就職先があるか、どのような対策をとればよいかなど、学生が就職先について個別に相談でき、専門のスタッフが親身にサポートしてくれます。ですが、就職キャリア支援センターが就職先を決めてくれるわけではありません。決めるのは学生の皆さんであって、その道しるべの役割としてこの授業があると思います。

──この授業の位置付けがとてもよくわかりました。それでは、授業を受講する学生には、どんな姿勢で授業に臨んでほしいと考えていらっしゃるかも教えていただけますか。
唐﨑:中島みゆきさん作詞・作曲の「宙船(そらふね)」という曲をご存じでしょうか。この曲は2006年にTOKIOに提供されてヒットし、甲子園での高校野球大会の入場行進曲にも選ばれました。「宙船」の歌詞には、「その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」という一節があります。自分の進む道は自分自身で切り開け、というメッセージが強く伝わってきます。学生の皆さんには、この歌詞にあるようなメッセージを心に秘めつつ、授業に臨んでもらいたいと思います。もし、この授業のテーマソングを選べるとしたら、この「宙船」を選びたいです。

──これから社会に出ていく学生にとっては、とても大切な心構えですね。最後にこの記事の読者や学生に対してメッセージがあればお願いします。
唐﨑:これまで「法学部生のキャリアデザイン」の授業についてお話をしましたが、ほかの法学部の専門科目の授業でも、外部からゲスト講師を招いてお話しいただくことがあります。様々な職種で活躍するゲスト講師の皆さんのお話からは、私たち大学教員の授業だけでは得られない実践的な学びがあると思います。お話を聞くなかで、「自分はこうなりたい」と思う瞬間があるかもしれません。学生の皆さんには、自分の進む道を自分自身で切り開くためのヒントをつかみとってくれることを期待しています。

※「法学部生のキャリアデザイン」はカリキュラム改定により、2026年度以降は「ライフステージと法」、「グローバル社会の法と政治」といった総合科目へ改編することが予定されています。


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