【国際文化ツーリズム学科】研究者としての自己紹介~澤海先生編
国際文化ツーリズム学科の准教授の澤海です。専門は心理学ですが,流通経済大学では異文化間コミュニケーション論や社会言語学,調査法や英語などを教えています。この記事では,私がふだんどんな研究をおこなっているかを簡単に紹介していきます。
私は一言でいうと,医者にたとえれば専門医ではなく総合診療医(ジェネラリスト)だと思っています。医者というと耳鼻咽喉科や皮膚科などの専門医が日本では多く,総合診療医には馴染みのない人が多いかもしれません。つまり,特定の限られた分野で専門的に研究するというよりは,私はいろんな研究者と幅広い分野にわたって共同研究を進めています。社会心理学を中心とし,英語教育や対人コミュニケーション,人の性格やパーソナリティの測定,人づきあいのスキルの測定や向上,比較文化研究などを実施しています。
今年からは研究費が採択されたこともあり,ソーシャルスキル,つまり,人づきあいのスキルを主に研究していく予定です。簡単にいうと,どのような人が人づきあいがうまいと見なされるのだろうか,それを特徴づけるのは何なのだろうかといったことを研究していきます。私自身,子供の頃に人づきあいが苦手だったこともあり,このテーマには昔から興味を持っていました。
私はどちらかというと研究の世界でブレイクスルーとなるような大掛かりなプロジェクトに取り組むというよりも,身近なテーマで地道にコツコツと研究を重ね,積極的に研究成果を外部に向けて発信していくタイプの人間です。写真は昨年7月にチェコ共和国のプラハで開催された,国際心理学会議でポスター発表をしてきた様子です。この研究発表では,人の恥ずかしがり屋の度合いを変える試みについて発表しました。写真を撮り忘れましたが,今年3月にもアメリカのコロラド州で開催されたアメリカ応用言語学会で,高校生の留学体験に関する研究発表もおこなってきました。 共同研究者でもあり親友でもある京都外国語大学の稲垣勉氏とポスターの前で
他にも,人を「いじる」とはどういうことか,「からかう」「いじめる」とどう違うか,に着目した研究論文を2023年に発表しました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsre/30/1/30_21-015/_article/-char/ja/
2025年はすでに複数の研究論文を発表しており,以下にリストしておきます。すべて英語ですが,ぜひともチェックしてみてください。本文は購入しないと読めないため,本文PDFは澤海に直接お問い合わせください。またタイミングの良いときに研究報告をみなさんに分かりやすくお伝えできればと思います。
人づきあいをどうやったら上手にできるか,外国語上達のためにどうすればよいかといったことに興味のある人は,ぜひ私のゼミで勉強しましょう。
執筆 澤海崇文
【2025年 発表済論文】
・Journal of Cross-Cultural Psychologyという比較文化心理学系の国際ジャーナルに代表者として掲載した論文
https://doi.org/10.1177/00220221241302087
・Emerging Adulthoodという成人形成期(だいたい18歳から29歳まで)をテーマにしている雑誌に,ポーランド人研究者のJankowiak教授らとともに掲載した論文
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/21676968251322822
・アメリカ人研究者のHill教授をリーダーとした大規模国際比較プロジェクトをもとに,愛(Love)について執筆した洋書の改訂版
https://link.springer.com/referenceworkentry/10.1007/978-3-031-76665-7_29-1