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流経大生が膳場貴子客員教授と東日本入国管理センター(牛久入管)を訪問

 
 名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)で、スリランカ人女性が死亡する事件が起き、国会では入国管理法の改正案が審議されるなど、入管をめぐる問題が注目されるなか、流通経済大学の社会学部や法学部の学生が、5月17日に、龍ヶ崎キャンパスにほど近い東日本入国管理センター(牛久入管)を、ニュースキャスターで本学客員教授の膳場貴子先生とともに訪問しました。

 

膳場貴子客員教授

 牛久入管は、母国に帰ると身の危険が及ぶ可能性がある難民申請者や、超過滞在(オーバーステイ)などによって在留資格を持たない人々が収容されています。2014年には、カメルーン人男性が死亡する事件が起きたほか、2022年にはこの入管を取り上げたドキュメンタリー映画『牛久』(監督:トーマス・アッシュ)が公開されました。

 

田中喜美子さん

 今回の見学会では、膳場貴子客員教授が、長年にわたり牛久入管の収容者を支援してきた「牛久入管収容所問題を考える会」代表の田中喜美子さんとともに、インド・カシミール出身の男性やイランから来た兄弟など4名の収容者と面会し、収容されるに至った経緯や収容所での様子などを聞きました。

  一方、学生たちは龍崎孝副学長(社会学部教授)らとともに、センター職員から収容者の生活様態などについて動画を見ながら説明を受け、施設内の面会待合室などを見学しました。参加した学生たちは熱心にメモを取り、差し入れに関する掲示物などを食い入るように見ていました。

 

 その後、龍ケ崎キャンパスに移動し、ジャーナリストでもある膳場先生と、収容者支援の第一人者でもある田中さんを囲んで座談会が行われました。膳場先生からは、実際の面会室は古く薄暗い場所で、この日面会した8年間収容されているカシミール出身の男性は、骨折したにもかかわらず通院させてもらえなかったという話を聞いたと報告がありました。また、約30年にわたって収容者を支援してきた田中さんからは、収容の長期化、仮放免された人々の不安定な生活などについて話があり、学生たちは熱心に聞き入っていました。

 

 学生からは、入管側の人権意識や日本維新の会の議員による国会質問をどう思うかといった質問や、日本の難民認定率の低さに関する質問もあがりました。またこうした入管の実態についてどうしたら多くの人に知ってもらえるかという質問に対し、膳場先生からは報道を担う立場としてもちろんこうした実態を伝えていくことも大切だが、収容者の方に実際に会ってみることでその実態をよく知ることができるので、ぜひ田中さんなどの支援者の方と一緒に会ってみてほしいとのお話もありました。

 

座談会終了後も、学生たちは田中さんを囲みさらに話を聞くなど、入管問題への関心の高さがうかがえました。大学院社会学研究科の太田裕一郎さんは、「入管の問題は、『人権』に対する意識を通して自分自身に強くつながっていることを知るきっかけになった」と感想を述べています。


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