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国際スポーツ心理学会で、女性活躍についてのシンポジウム開催


三木ひろみ(SDGs 担当副学長)

9月30日~10月4日に開催された第15回国際スポーツ心理学会で、日本のスポーツ・スポーツ科学における女性の現状と課題について議論するシンポジウムに、司会者兼指定討論者として参加しました。

シンポジストとして、阿江美恵子(東京女子体育大学)教授、東京2020オリパラ組織委員会のジェンダー平等推進チームアドバイザーの井本直歩子氏、小菅(町田)萌(大阪体育大学)准教授、荒木香織(園田女子大学)教授が発表をされました。

女性競技者は暴力やハラスメントを受けやすいことや容姿など競技と無関係の視点で捉えられやすいこと、女性の研究者やメンタルトレーニングコンサルタント等の実践者は職や仕事を得ることが難しいこと、子育てなどとの両立が難しい中、男性以上の能力やパフォーマンス、仕事への取組み姿勢を示されなければならないと感じていること、女性の参画を促すために女性枠が設けられる等の措置が行われるようになったが、意思決定機関に関わる女性の数や割合そしてその影響力には、期待されていたほどの効果がみられないこと、反対に、「女性には機会が与えられるのでうらやましい」と男性から言われることが多くなり、自分の能力が評価されている訳ではないと感じて自信や自己肯定感を持てなくなるインポスター症候群が女性研究者にも見られること等、多くの問題が挙げられました。

発表とQ&Aの中で、解決策として、こうした問題について積極的に議論し、科学的に調査・研究する必要があること、障壁を取り除き能力発揮や正当な評価が得られるようにするためには、受け身でいることなく、自ら積極的に挑戦し主張する必要があること、競技や学術の世界の中だけでなく、外にもネットワークを広げていくことで、視野を広げるとともに仕事や活動の機会を増やしていくこと、欧米の大学のようにジェンダー平等などについての教育を進める必要があること等が挙げられました。最後に、問題や疑問を感じている者同士、状況を改善していきたいと思っている人たちで、これからも前向きに話し合っていこうというメッセージを発信してシンポジウムを終えました。

シンポジウムの動画は、国際会議終了後も、参加者や国際スポーツ心理学会の会員に公開されています。シンポジストにとっても楽しく意義のある時間でしたが、本シンポジウムを視聴した多くの研究者や大学院生等から「元気が出たよ」と感想をいただきました。企画中の書籍の執筆者に女性の執筆者を加えようと思ったとの意見もいただきました。

今後も様々な機会を通じて、女性活躍、ダイバーシティ、そしてSDGs推進について積極的に発信し、活動していきたいと思っています。

(ダイバーシティ共創センター設置準備室2号館 報告)