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「法学部ってどんなところ」vol.14

商法-現代社会を生き抜くためのルールを学ぶ-

 皆さん、こんにちは!今回の「法学部ってどんなところ?」では、「商法」の授業をご担当されている王先生がインタビューに答えてくれました。高校生の皆さんは、商法という法律を初めて聞いたかもしれませんね。商法も、他の法律と同じように私たちの日常生活、また皆さんの将来の就職活動において役立つ法律です。そこで、王先生には商法がどのような法律なのか、また商法の知識はどのような場面で生かすことができるのかについてお話を伺いました。

 

<教員紹介>
王 偉杰:法学部ビジネス法学科助教
慶應義塾大学法学研究科後期博士課程を経て法学部へ着任
専門:商法

 

―――王先生、今日はよろしくお願いします。
王:王です。こちらこそよろしくお願いいたします。

―――早速なのですが、私は将来、民間企業への就職を考えています。やはり大学で商法を勉強した方が良いのでしょうか?
王:民間企業へ就職するのですから、企業に関する法、すなわち「商法」という法分野の知識が最も役に立つでしょう。

―――民間企業への就職を考えていない人にとっては、商法を学ぶことにどんな意義があるのですか?
王:企業というのは現代の取引社会には欠かせません。日常生活の中でほとんどの取引が企業と関わりを持つことになります。そのときに企業に関する法的ルールである商法を理解していれば、様々なリスクを回避することができるでしょう。

―――どういう進路を選ぶにしても、商法の知識は重要ということですね。
王:はい。民間企業に就職することや自ら起業することを考えていない人にとっても、現代社会を生きていく以上、商法の知識は欠かせないものと言えるでしょう。

―――ありがとうございます。では、この商法という法律なのですが、これはいったいどのような法律なのでしょうか?
王:先ほどは企業に関する法とだけ言いましたが、もう少し正確にいうと、企業の組織・活動といった企業生活関係に特有な法規の総体のことを一般的に「商法」と呼びます。「商法」という法律もありますが、それ以外にも「会社法」や「保険法」や「手形法」等といった企業に係る個別の法律も「商法」に含まれることになります。

―――一口に商法と言ってもその中にはいろいろな法律が含まれているんですね。
王:そういうことです。法学部の授業では、これらの商法分野の法律をその内容ごとに分類して、段階的に学習していくことになります。

―――ところで、先ほども言いましたが、私は民間企業への就職を考えています。4年生の就活の際にも、商法の知識は役に立つのでしょうか?
王:もちろんです。就活の際には企業分析を行うことになります。これはまさに「相手を知る」ための作業です。企業分析の際に商法の知識がなければ、目の前に企業の資料があっても十分に理解することはできないでしょう。

―――なるほど、それは確かにそのとおりですね。
王:それだけではありません。企業に採用されれば、今度はその企業の一員として企業の看板を背負って活躍するわけですが、その際には、自分の企業や取引相手の状況などを理解するためにも、商法の知識は有用です。または取引に関する法的ルールを把握するためにも、商法の知識が必要になることがあるでしょう。

―――私は公務員にも少し興味があります。公務員志望なら商法を学ぶ必要はないのでしょうか?
王:たしかに国税専門官等のごく一部の職種を除くと、商法は公務員試験の出題範囲に含まれていません。ですが、「試験に出ないから学習不要」というのは短絡的でしょう。国や自治体だって企業とともに活動することがたくさんあるからです。商法は私たちの生活に深く関わる法律です。現代社会で生きていく以上、商法を学習することは有益に違いありません。

―――商法の知識はいろいろな場面で使うことができるんですね
王:はい、商法というのは実は非常に広い範囲で活用することのできる法分野なんだと思ってもらえると嬉しいです。

―――では、具体的に商法は私たちの日常生活にどのように関係してくるのでしょうか?
王:私たちの普段の生活の至るところで商法は光っていますよ。例えば飲食店で食事をするとき、バスや電車に乗るとき、宅配便で荷物を送るとき、駐車場やコインロッカーを利用するとき、怪我や疾病に備えて保険に加入するとき・・・様々な場面で私たちは企業と関わりながら生活しています。商法はこういった企業が関わる場面で使われるルールを定めた法律です。商法の知識は、これらの場面で多くの人が抱く悩みを解くカギとなり、自分や身近な人の利益を守る有力な武器になってくれるはずです。

―――商法も私たちの日常生活に大きく関係している法律なんですね。王先生、今日はどうもありがとうございました。