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「法学部ってどんなところ」vol.12

実際の裁判の様子を見に行こう!

みなさんこんにちは。前回までの「法学部ってどんなところ?」では、流通経済大学法学部に所属する学生のみなさんの活動について紹介してきましたが、今回からはまた法学部で開かれている魅力的な授業について紹介していきたいと思います。今回は、「法律実務研究」という少し変わったタイトルの授業を展開されている宮平先生にお越しいただき、この授業ではどういったことを学べるのかをご紹介いただきたいと思います。

 

<教員紹介>
宮平 真弥:法学部ビジネス法学科教授
東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程を経て本学へ着任

 

―――宮平先生、本日はよろしくお願いいたします。
宮平:こちらこそよろしくお願いします。

 ―――早速ですが、流通経済大学の法学部で特色のある科目はなんでしょうか。
宮平:いろいろありますが、例えば私が担当している「法律実務研究」という科目では、受講生と教員が裁判所に行って法廷の様子を見学しています。法学部では珍しい実習系科目です。

―――裁判所というと少し近寄りがたい雰囲気がありますが、私たちでも見学に行けるものなのですか?
宮平:確かに普通の人からするとそういう懸念もあるかもしれませんが、裁判の様子は誰でも傍聴できるんですよ。特に流通経済大学の場合、新松戸キャンパスの近くには千葉地方裁判所の松戸支部が、龍ヶ崎キャンパスの近くには水戸地方裁判所の龍ヶ崎支部があるので、行こうと思えばすぐに裁判傍聴に行くことができるんですよ。

―――それは知りませんでした。裁判所って以外と近所にあるものなのですね。ところで、先生の担当されている「法律実務研究」という授業なのですが、この授業はどういった目的で実施しているものなのですか。
宮平:私がこの授業にあたって考えていることは、実際に、裁判官、検察官、弁護士の仕事ぶりや、被告人の発言を目の当たりにすることで、法というものが世の中でどういう役割を果たしているかを深く・重く体験して欲しいということです。そして、この体験を通して法学というものにより興味を持って欲しいとも考えています。

―――「深く・重く体験して欲しい」ということですが、実際の法廷というのはどんな雰囲気なんでしょうか。
宮平:それ実際に行ってみて感じて欲しいところですね。ですが、これまでにこの授業を履修して裁判所見学に参加したほとんどの学生は「すごく印象に残った」「また見に行きたい」といった感想を述べています。ドラマや映画とは違った緊張感と衝撃があるということだと思います。作りものではないですから。

―――私は法律のことをよく知らないので、裁判の様子を見ても意味が分からないかもしれません。それでも大丈夫なのでしょうか?
宮平:安心してください。実際に見学に行く前に、まず10週間程度かけて裁判制度について授業をします。裁判の流れや裁判官、検察官、弁護士の役割などですね。そこまで準備をしてから行きますので、当日の様子はだいたい理解できます。授業についても、毎回レポートを提出してもらい、理解できていなかったところは解説をしています。

―――事前学習に時間をとるのですね。それなら安心です。最後の質問になりますが、この授業で学んだ裁判に関する知識は私たちにとってどう役立つのでしょうか?
宮平:実は、この授業のもう一つの目的として、裁判員になったときにどうすればいいのかを学ぶということがあります。みなさんも将来裁判員に選ばれる可能性がありますので、この授業では裁判員制度の概要や作業の流れも解説することにしています。

―――そういえば、抽選でだれでも裁判員に選ばれる可能性があると聞いたことがあります。大学の授業でこの制度について知っておくことは確かに役に立ちそうですね。
宮平:そうですね。実は、多くの人々は裁判員に選ばれることに不安を感じているようですが、裁判員を体験した人たちの大半は「参加してよかった」と肯定的な感想を述べているそうです。裁判員制度は、2009年に実現した新しい試みで、試行錯誤の段階ですが、多くの人にその意義を理解してほしいと思っています。司法がもっとよくなればすべての市民の利益になりますからね。

―――宮平先生の授業を受けることで、司法制度をより良くしていくための知識も身につけられるということですね。とても魅力的な授業だと感じました。宮平先生、本日はありがとうございました。