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インフルエンサーの思考を学んでみよう

 

 いまやSNSは旅行だけでなく、街の飲食店など「おすすめスポット」を探すときにも欠かせないツールです。そうした場所の情報をSNSで発信する人々は「インフルエンサー」と呼ばれ注目されています。ではインフルエンサーたちは、どんなことを考えてSNSで情報を発信しているのでしょうか。

 国際観光学科の授業では、そうした「場所の魅力」を生み出すインフルエンサーたちがどんなことを考えているのかを、担当教員が以前行ったインタビュー調査に基づいて学んでいます。一例を紹介したいと思います。

 

 「渋谷とかは人間の未踏の地が、『SNS未踏の地』がない。『インスタ映えじゃんw』みたいに自分で自分を嘲笑する(だから渋谷のことはあまりSNSに書き込まない)(A氏、20代女性)」

 「こっち(東京・都市部)は情報量が多い割に、流れるのがはやい。自分の興味あるものを追うので精一杯。地方に行くときは、東京だと追わないものでも、自分の足で追うな(B氏、30代男性)」

      

 

 「『SNS未踏の地』がない」という表現は、まさしくインフルエンサーらしい名言ですね(と、インタビューのときに思いました)。つまりインフルエンサーにとっては、渋谷のような「人気の場所」をSNSにアップしても、似たようなことはすでに誰かがSNSにアップしているので、陳腐に写ってしまうと考えたり、またインフルエンサーも情報の多さについていけないと考えたりしているのですね。そして彼女ら彼らは「まだあまり知られていない魅力的な場所」を探して、SNSで発信しています。そうした行為が、新しい「人気の場所」を生み出していくことがわかります。

 

 このように国際観光学科では、観光や旅行をこえて、そもそも「魅力的な場所や地域」はどのように生まれていくのかということも学んでいます。