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黒い羊:社会心理学の講義紹介②

黒い羊:社会心理学の講義紹介②

 社会心理学の講義では、集団間関係だからこそ引き起こされる現象の一つ、黒い羊効果というものを紹介しました。自分が加わっていない集団を意識するからこそ、仲間への見かたも変わってしまうという説明です。もし他の集団を意識しなければ、黒い羊がいることで自分は白い羊だと自己評価を守ることができます。これは自己評価維持モデルという説明です。

 ですが、他の集団を意識したときに、白い羊の中に黒い羊がいたとしたら、悪目立ちして仲間だからこそ実際以上に厳しい目で見てしまいます。黒い羊を“厄介者”扱いしてしまうのです。実はこの黒い羊効果をもとにしたような楽曲も存在します。そんなことにも触れながら講義を行いました。

以下、学生のコメントです。

好きなグループの曲が授業に出てきておどろいた。よく聴く曲だが、この授業を聞いて、また歌詞のことを考えながら聴けそうだなと感じた。良い意味でも悪い意味でも、周りの人と違うと目立つんだなと思った。周りと違う人が、自分の仲間に居るのか、敵の中にいるかで見かたが全然違ってくるんだと感じた。ライバル集団があるという集団間関係の中で考えるかどうかでも、大きく意味が変わると知れた。帰りにこの曲を聴いて帰ろうと思った。(Mさん)

黒い羊効果は学校とかでもあると思った。違うことをしている人になんだぁあいつと想ったりしてしまう。文脈で、できない人の評価が真逆になるのは面白いと思えた。(Eさん)

自分のことを他の人と比べたがる。それによって、親切にできたり、差別・区別をする。差別・区別は良いイメージがあまりないが、ストレスが溜まっているときなど自分を擁護する場面では必要になってくる。社会に出てからは、差別化というスキルをもっていると次につながるより良くする情報を手に入れられるメリットにもなる。みんな違うことでお互いを高めあうこともできる。(Tさん)

「黒い羊」は自分たちを良く見せる引き立て役の効果もあれば、自分たちのことを悪く見せる悪役をする場合もある。一概に黒い羊が悪い存在とは言えないなと私は思った。むしろ黒い羊役の人がいるからこそバランスが取れているのではないかと思った。(Aさん)

曲は聴いたことがあったが、黒い羊効果を知り、より深く歌詞が分かって良かった。黒い羊であり続けられる強い意志を持てるようになりたいと思った。”集団”という視点で感じ方が違うのは、日常で感じるが、段階を踏んで理屈を知ると改めてそう言うことかと思えておもしろかった。(Kさん)