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法学部の西島良尚教授が、「『マンション分譲取引』と『三角取引(多角取引)』」というテーマの論文を執筆

法学部の西島良尚教授が、椿寿夫編著『三角・多角取引と民法法理の深化』(商事法務、別冊NBLNO.161)に、「『マンション分譲取引』と『三角取引(多角取引)』」というテーマの論文を執筆されています。

同論文集は、2016年10月9日に東京大学で開催されました日本私法学会のメイン・シンポジウムの資料論文集です。日本を代表する民法学の泰斗の一人である椿寿夫博士の主催される研究会のメンバーによる共同研究の成果です。

現代の経済取引においては、伝統的な二当事者間の単純な契約関係だけではなく、専門業者が共同で多様な契約を「部品」として組み合わせて一種の取引のシステム(仕組み)を利用して多くの「取引」が行われます。しかし、その場合に、顧客(一般市民・消費者)は、その「取引」に密接にかかわっているのに、直接の契約関係にない、あるいは、異なった契約関係しかない業者に対しては、その取引の目的や趣旨に照らして不十分な権利主張や異議の申し立てしかできないという不都合が生じています。今や、歴史的に形成された伝統的な「契約」概念だけでは公正な法的規律ができない「取引」関係について、新たな「法概念」の構築への挑戦を試みるものです。また、本学に非常勤講師で出講されている長坂純教授(明治大学)も、「履行補助者と多角取引」というテーマの論文を寄稿されています。なお、この共同研究には本学の村田彰教授の「契約の成否・結合と多角的法律関係」(椿寿夫・中舎寛樹編『多角的法律関係の研究』(日本評論社、2012年)所収)の論文も重要な前提となっていることも付言しておきます。