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日埜教授が「キリシタン信徒の肉声を伝える稀有の書」を出版

1632年,ローマの布教聖省(プロパガンダ・フィデ)は,イスパニア人ドミニコ会宣教師ディエゴ・コリャードの編著『懺悔録』を刊行しました。1620年代初め,迫害下の長崎近辺で,みずからが聴取した名もなき日本人キリシタンの告解を,モーセの十誡や七つの大罪というテーマごとに分類,その赤裸々な肉声を日本語のまま,ポルトガル語式のラテン文字で書き留めた興味深い書物であります。

天理大学附属天理図書館が所蔵するその原著は,全篇66頁。本学教授の日埜博司(ポルトガル語)が,これを多角的に考究した『コリャード懺悔録――キリシタン時代日本人信徒の肉声』(「懺悔」は「さんげ」と濁りません)と題する作品を,7月25日八木書店から上梓しました。

テキストの翻刻・翻字はもちろん,その現代和語訳,原典からのポルトガル語全訳注,もろもろの解題・補説のほか,キリシタン史の泰斗高瀬弘一郎教授の業績から,本書の内容にゆかりの深い3篇を「特論」(ポルトガル語訳および日本語原文)として収載するなどした結果,B5判732頁に及ぶ大冊となりました。

八木書店による内容見本のほか,電子版PR誌に日埜が掲載したエッセイも御覧ください。