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学生プレゼン始まる(佐野ゼミ)

学生プレゼン始まる(佐野ゼミ)

佐野ゼミでは秋学期のメインイベントとして、学生によるプレゼンテーションがあります。
春学期から10月半ばまでは、湯浅誠著『反貧困』をベースに、拡がりを見せる格差と非正規雇用、破綻の危機にあるセーフティネット、そして貧困の問題について、担当教員の用意する文書や資料映像を中心に勉強し、それ以降は学生のプレゼンテーションを中心に展開します。
各自、興味のあるテーマを選び、それについて調べ、問題点を掘り起こし、考え、また調べ、整理し、説明する。ノートやプリントアウトした文書などを読むことは禁じられています。つまり内容を頭に入れて話さねばなりません。義務として課された時間は5分間。短い、と思いますか?いえ、5分間話すことは大変なことです。学生たちは身をもってそれを体験します。内容が希薄だと1分で終わります。また本人が問題を完全に理解していないと、聞く側は何を言っているのかよくわからず、話もまとまりがなく途切れるように終わってしまいます。自分のプレゼンテーションが良かったかどうか、ゼミ員の様子ですぐに分かるはずです。

トップバッターは、テーマを「個人情報保護法の問題」としました。近年、カード会社や一般企業の顧客情報がコンピュータへの不正アクセスによって何万件も盗まれ、闇のルートで売買されたりする、そこから個人情報保護のための法律が必要となり、作られたわけですが、一方で、その法律が成立した結果、個人情報保護を理由に、たとえば大きな事故によって死者が出た際、その個人名を公表できないような状況が生まれている。そうしたことに関心を持って、このテーマを選んだ、とのことでした。
で、結果はどうだったでしょうか・・・。

これまで学生を見てきた経験から言えば、優れたプレゼンは毎年多くてせいぜい3、4人。たいていのプレゼンは失敗します。しかし、最高の教育は失敗にある、のではないでしょうか。2年次以降の新たな発表の機会に、この失敗は必ず生きるはずです。(佐野栄一)