法学部

龍ケ崎 新松戸

Law

法学部

法律学科

学びの特色

  • 特色1

    法律系資格の取得を
    サポート

    司法書士や行政書士、宅地建物取引士、社会保険労務士といった士業の資格から法学検定試験まで、在学中の法律系資格の取得を正課や課外の授業でサポートします。

  • 特色2

    法科大学院を含む
    大学院の進学を支援

    法曹(裁判官・検察官・弁護士)を目指して法科大学院への進学を考えている人や、法律のことをもっと深く学ぶために大学院の法学研究科への進学を考えている人の進路・学習相談に対応します。

  • 特色3

    生活のどの場面でも
    活きる法律の知識

    法律は、どのような職業に就いても、また、日常生活の中でも関わってきます。つまり、法律の知識は、民間企業でも公務員でも、あらゆる進路で活きてくるとともに、生涯において必要な知識になります。

学びの分野

  • ビジネス法務

    #企業 #金融 #不動産 #物流 #国際取引 #法人税

    金融や物流、製造などのビジネスの現場で活躍できる人材を育成するため、民法、商法、物流関係法などを重点的に学び、企業の法令遵守や企業統治の意義を理解します。
  • 法律専門職

    #裁判 #ロースクール #司法書士 #行政書士 #宅建士 #知的財産

    法律関係の資格取得を目指し、官民いずれの世界でも活躍できる力を養うため、憲法、民法、刑法、商法などを中心に学び、法職や行政関連の仕事に就くことを目指します。
  • スポーツ法務

    #地域おこし #スポーツ #文化 #観光 #国際

    プロ契約、怪我・事故に関連した法律、スポーツ関連政策などを学び、スポーツと法、法社会学などに精通し、スポーツや企業・教育の現場で活躍できる力を養います。

法律学科の“実学”

  • 法の現場を通じて学ぶ
    法律実務演習

    裁判所に行って法廷の様子を見学する実習系科目。冤罪を生まないための厳格な手続きや、裁判員制度についてなど、法の現場を通じて実際に社会で役立つ知識を修得します。

  • 判例から学ぶリアルな民法の面白さ
    (大塚ゼミ)

    実際の判例をもとにした事例の検討を通じて、取引社会の基本ルールである「民法」について実践的に学びます。ときには他大学の学生とも一緒に議論することで、社会に出てからも役立つ法的な考え方を身につけます。

法律学科ゼミテーマ一覧(一部抜粋)

  • 法律のもう一歩先を考える(阿部ゼミ)
  • 憲法「を」学ぶ/ 憲法「で」学ぶ(前田ゼミ)
  • 弁護士と学ぶ民法の基礎知識の使い方 (西島ゼミ)
  • 契約法の使い方を実践的に身につけよう(大塚ゼミ)
  • 刑法を中心に法の基礎を学ぶ(信太ゼミ)
  • 会社法を中心に学ぶ商法領域の法の運用(王ゼミ)
  • 海と船と運ぶと法(大西ゼミ)
  • 競争と法(原ゼミ)
  • 「裁判」へ至らない「予防法学」を修得する(田尻ゼミ)
  • 「愛国」をキーワードに日本の近現代を考える(宮平ゼミ) など

カリキュラム

1年生

学びの分野
ビジネス法務
法律専門職
スポーツ法務
必修科目
基本科目
  • 1年演習
  • 情報リテラシー演習
  • データリテラシー演習
必修科目
専門共通科目
  • 市民と法
  • 民法1(総則)
  • 国家と法
選択必修科目
キャリア科目
  • 法学部生のキャリアデザイン

2年生

学びの分野
ビジネス法務
法律専門職
スポーツ法務
必修科目
基本科目
  • 2年演習
選択必修科目
専門基幹科目
  • 憲法B C
  • 民法2(物権)
  • 民法3(債権各論)ⅠⅡ
  • 家族法ⅠⅡ
  • 刑法(総論)ⅠⅡ
  • 行政法(行政作用法)ⅠⅡ
  • 法制史ⅠⅡ
  • 民事訴訟法ⅠⅡ
  • 商法(会社法)ⅠⅡ
  • 消費者法
  • 法律実務研究
  • 政治学原論ⅠⅡ
専門展開科目
関連科目
  • 法社会学
  • 経営学総論ⅠⅡ
  • ロジスティクス概論ⅠⅡ
  • 法律専門職特殊講義(宅建士)ⅠⅡ
  • 法と文化ⅠⅡ
  • 簿記論ⅠⅡ
  • 法社会学
  • 国際法ⅠⅡ
  • 法律専門職研究
  • 社会保障論ⅠⅡ
  • 地域起こし政策論
  • 観光の法と政策
  • 法と文化ⅠⅡ
  • スポーツとメディア
  • 警察・消防行政概説ⅠⅡ

3年生

学びの分野
ビジネス法務
法律専門職
スポーツ法務
必修科目
基本科目
  • 3年演習
選択必修科目
専門基幹科目
  • 民法4(債権総論)
  • 刑法(各論)ⅠⅡ
  • 刑事手続法ⅠⅡ
  • 商法(総則・商行為法)
  • 商法(保険法)
  • 商法(手形・小切手法)
  • 労働法ⅠⅡ
  • 社会保障法
  • 国際ビジネス法
  • 物流関係法
  • 知的財産法
  • 経済法ⅠⅡ
  • 倒産処理法
  • 民事執行・保全法
  • 行政法(行政救済法)
選択科目
専門展開科目
関連科目
  • 外国法
  • 税法(法人税法)
  • 国際協力論
  • 地域ビジネス実践講座
  • 税法(法人税法)
  • 法律専門職特殊講義(行政書士)ⅠⅡ
  • 法律専門職特殊講義(宅建士)ⅠⅡ
  • 国際協力論
  • スポーツと法(契約)
  • スポーツと法(事故・人権)
  • 危機管理論
  • 防災政策論
  • 法学特殊講義

4年生

学びの分野
ビジネス法務
法律専門職
スポーツ法務
必修科目
基本科目
  • 4年演習

授業Pick up

憲法A

日本国憲法は、国民一人ひとりが自由な人生を実現できるよう、日本国を運営する仕組みの基本を定める法です。1年生の段階では、国会、内閣、裁判所、地方自治といった、日本国を運営する仕組みの基本を学びます。日本国憲法は法学部で学ぶことがら全てを貫く基本中の基本で、非常に重要です。教員とともに、一歩一歩、丁寧に学んでいきましょう。

労働法Ⅰ・Ⅱ

近年、少子高齢化や共働き世帯の増加、産業の構造変化といった社会や経済の構造変化に伴い、日本の雇用社会は大きく変わり、労働法も新たな課題に直面しています。労働者とは誰か?という問題に始まり、労働基準法や、労働契約法、労働組合法といった労働に関する法制度はもちろん、さらには労働市場政策なども含めた基本的な制度や考え方を学びながら、新しい時代の雇用社会のあり方を考えていきましょう。

物流関係法

私たちが使っている物や食べている物はすべて、それを作った人たちから私たちのもとへ運ばれています。「運ぶ」すなわち「物流」は社会のインフラです。それでは、物流はどのようなルールのもとで行われているのか?この物流に関わる法について、特に、古代から大量の物を運ぶ手段であった船による海上運送に関する法制を中心に、陸・海・空の運送や倉庫に関わる基本的な私法上の制度を学びます。

STUDENT’S VOICE

犯罪被害者の救済策を
探究しています

私が学んでいる特別クラスの授業は先生との対話形式。クラスメイトは意欲的で、深く学びたい人におすすめです。現在は犯罪被害者を救う方法を探っていますが、法律では対応が遅く、心理ケアも不十分です。より良い救済策を、学びを通じて探っていきたいと思います。

法学部 法律学科 3年(取材当時)
酒巻 健さん

酒巻さんの1日のスケジュール

1 9 : 0010 : 30 3年演習(ゼミ)
2 10 : 4512 : 15
3 13 : 0514 : 35 刑法(各論)Ⅰ 刑法(各論)Ⅱ
4 14 : 5016 : 20 刑事手続法Ⅱ
5 16 : 3518 : 05 民法3(債権各論)Ⅱ 法律実務研究

法科大学院 ロースクール 進学

法科大学院を経て将来は弁護士へ

2年次の頃、当時のゼミの先生から「法科大学院を経て弁護士を目指したらどうか」と背中を押していただきました。ゼミの先生を始め、法律系の先生方から自分に適した勉強方法を伝授され、効果的な受験勉強ができたと思います。法律の知識とゼミで培った他者と協力できる力を、今後も活かしていきたいですね。

法学部 法律学科 濵本 龍弥さん

GRADUATES’ VOICE

法律を読み解く力が 「通関」の仕事に活きている

2019年3月 法学部 ビジネス法学科(現:法律学科)卒業
千野根 綾香さん

在学中にたまたま知った「通関士」に憧れを抱き、就職後もその想いが消えなかったので、転職して通関の仕事をしています。通関士とは、お客様の代わりに税関に輸出・輸入の申告をして許可を受ける仕事です。法律と深く関わる仕事なので、大学で得た法律に関する知識が業務でも活かされています。例えば、案件を取り扱う時、お客様と税関との間に立ち、貿易を円滑かつ正確に行うために法律を読み解く力を使い、取引する貨物が不正に国内に入ってくる貨物ではないかを確認します。また国外へ貨物を送る際には、安全保障に関わる貨物なども不正に海外へ流失することのないように仕事を行っております。授業を通してさまざまな法律に触れた経験から、今も抵抗なく『関税六法』と向き合えています。今後は通関士の資格を取得し、通関業務とお客様対応を両立できる人材になりたいです。

取得可能な教員資格

  • 中学校教諭一種免許状 「社会」
  • 高等学校教諭一種免許状「公民」

目指せる進路

  • 不動産業
  • 金融機関
  • 企業経営者
  • 法科大学院進学(弁護士、裁判官など)
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士
  • 社労士 など

最新NEWS

2025.07.11 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

世界に目を向けよう―ニュースを通して世界を知り、自分の言葉で語るゼミ       第32回 法学部で広がる未来の自分の可能性

世界では、日々様々なことが起こっています。私たちの日常とは一見関連のないように見える遠い場所の小さいニュースでも、実は日々の生活を変えるような重要な出来事につながるかもしれません。今回は「世界を知ることで自分を知る・自分の言葉で語る」というテーマで1年次のゼミの授業を行なっている、法学部の大塩先生にお話をお聞きしました。アメリカ研究を専門とする大塩先生のゼミではどのようなことを学べるのか、ぜひ最後までご覧ください。

――大塩先生はアメリカ研究がご専門とのことですが、1年生向けのゼミではどのようなことを行っているのでしょうか?
大塩:私の専門は、主に19世紀から20世紀にかけてのニューヨーク社交界や映像作品におけるニューヨークの描かれ方についてなのですが、ゼミではそれにこだわらず、学生それぞれの興味に合わせて授業を進めています。特に「外国に関連するニュースを取り上げて、自分の意見を述べる」ことを主軸にしてゼミ活動を進めています。

――なぜニュースを取り上げる形式にしているのですか?
大塩:学生の多くが、必ずしも最初から外国の出来事や歴史に強い関心があるとは限りません。けれど、海外の出来事に少しでも目を向け、自分なりの考えを持つことは、どんな分野でも役立つ力になると思ってます。だからこそ、身近なニュースを通じて学生の皆さんが世界とつながるきっかけをつくりたいと思っています。

――具体的にはどんな活動をするのでしょう?
大塩:毎回のゼミでは、学生に「自分が興味を持ったニュース」を選んでもらい、その内容を簡単にまとめてプレゼンをしてもらいます。その上で、「自分はそれをどう感じたか」「なぜそのニュースを選んだか」といった自分の意見も発表してもらいます。最初はどのようなニュースでもいのですが、プレゼンの回を追うごとに「法律に関するニュース」や「外国に関するニュース」など、テーマを変え、少しずつ、普段あまり意識しないテーマに興味を持ってもらおうとしています。

――発表は緊張しそうですが、大事な経験ですね。
大塩:そうですね。でも大切なのは、「正しい意見を言うこと」ではなく、「自分の考えを言葉にして伝えること」です。自分の言葉で話す力は、将来、どんな道に進んでも必要になりますし、「外国」や「他者」に目を向けることで、逆に自分や日本社会のあり方に気づくこともあります。

――言葉にすることは、自分を知る手がかりにもなるんですね。
大塩:まさにその通りです。「他者」や「異文化」を学ぶことは、自分自身を相対化することでもあります。世界の様々な出来事や歴史、そして現状を知ることは、今のグローバル社会や日本の課題について考える手がかりにもなります。そうした視点を、少しでもゼミを通して1年生のうちから身につけてほしいと思っています。

――最後に、この記事の読者にメッセージがあればお願いします。
大塩:「外国のことはよくわからない」と思っていても大丈夫。まずは一つのニュース記事、ひとつの出来事からでいいんです。そこで自分が感じたことを、言葉にしてみる。それが、学びの第一歩です。ゼミという小さな場だからこそ、安心して試せることもあるはずです。

――大塩先生、本日はありがとうございました。

2025.07.10 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】行政書士が支える「多様さが強みになる社会」 

「法学部生のキャリアデザイン」では、様々なキャリアをもつゲストの方からお話を伺い、将来の進路選択に役立てる授業を展開しています。今回は行政書士の金子三佳子先生が、龍ケ崎と新松戸の両キャンパスにお越しくださいました。

行政書士とは行政書士法に基づく国家資格で、「官公署に提出する書類」の作成・手続代理・相談と、「権利義務又は事実証明に関する書類」の作成・代理・相談が主な業務です。

金子先生が多く手掛けていらっしゃるのは、外国人の方の在留資格に関する手続きです。

世界中の人の夢や成功、幸せのお手伝いができる魅力がある一方、厳しい期限があり、どうにもならない結果にも向き合わなければならない大変さもある、とお仕事の実情を語ってくださいました。

新松戸キャンパスには、行政書士のお仲間である山賀良彦先生がお越しくださり、遺言など権利義務に関わる書類作成の業務について、詳しくお話いただきました。

金子先生は被災地支援にも力を入れていて、大船渡市の復興支援や能登町での住民向け相談会にも専門家として携わっておられます。法学部で学ぶ学生にとって、「書類を作成する力」が復興支援につながることは、新たな気づきとなったようです。

災害時に外国人の方は復興の担い手にもなります。共に生きる住民であるという受容と自覚が必要である、とのメッセージに多くの学生が共感する素晴らしいご講義でした。

金子先生は、現実社会の問題解決に法の知識が貢献できることを、豊富な事例を交えて教えてくださいました。これからも「法学部生のキャリアデザイン」では、法と社会との関係を意識した実践的な学びを深めていきます。

2025.07.03 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】「知識とスキルで人々を守る」千葉県警によるご講義

様々なキャリアをもつ実務家からお話をうかがう「法学部生のキャリアデザイン」では、今回、千葉県警からゲスト講師の方々が新松戸キャンパスにお越し下さいました。


まず採用責任者の市村警視より、千葉県警察の組織の紹介とともに、ご自身のキャリア形成についてお話がありました。警察官の職務は、警察官職務執行法に代表されるように、全て法に基づいて行われていることにもふれていただきました。


続いて本学卒業の警察官2人も加わり、採用試験に向けた勉強方法や千葉県警に入ってよかったことを話していただきました。警察官として活躍する先輩方の姿は、学生にとって大きな励みとなったようです。


授業終了後には、警察官の業務に関心をもつ全学の学生を対象に、フリートークを開催していただき、それぞれが進路への道標を得た様子でした。

事件や災害に遭った人々が、まず頼りにするのは警察官です。そうした人々の支えになれるよう、日夜奮闘する警察官の職務の崇高さを、参加者一同、改めて心に刻む貴重な機会となりました。

これからも「法学部生のキャリアデザイン」では、最前線で活躍する実務家から直接学ぶことを通じて、学生のキャリア選択を支援していきます。

2025.06.26 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】「ウェルビーイングと経済の両立」に挑む

法学部の開講する「法学部生のキャリアデザイン」では、毎回様々なキャリアをもつゲストの方からお話を伺い、将来の進路選択に役立てる授業を展開しています。今回はChicabi(チカビ)代表取締役の川上鉄太郎先生が新松戸キャンパスにお越しくださいました。

川上先生は、法学部卒業後ビジネススクールに進学し、コンサルタント会社を経て、起業された方です。


牛の預託事業とキャンプ場を併設した千葉ウシノヒロバ、九十九里町で食品加工を行うLOCAL FACTORYなどを経営する川上先生ですが、事業を展開する際に役立っているのは法律の知識だそうです。関連する法令の調査から契約の締結まで、法律の素養があることによって、あらゆる場面での様々なリスクに対処できると語ってくださいました。

川上先生が手掛ける事業に共通する目標は「ウェルビーイングと経済の両立」です。ウェルビーイングとは「身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること」を示す概念ですが、日本ではこのウェルビーイングの水準が低いことが問題となっています。川上先生の掲げるビジョンに共鳴した学生も多く、「キャンプ場に行ってみたい」という感想も寄せられました。


川上先生が学生に提示してくださった「人生の選択肢を増やし、自己決定する」ことの重要性は、これから進路を選ぶ学生にとって大きな指針となるものでした。「法学部生のキャリアデザイン」では、今後も幅広いキャリア形成に役立つような実践的な学びを一層充実させていきます。

2025.06.19 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

「エモい」も「論破」も法学の入り口?――法学部における言葉の学び   第31回 法学部で広がる未来の自分の可能性

「エモい」「ツンデレ」「論破」――どれも耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。なんとなく使っているけれど、「エモいってどんな感情?」「“論破した”って言いたがる人がいるのはなぜ?」などと聞かれると、意外と説明が難しいものです。実は、こうした身近な言葉を深掘りしていくことが、法学部での学びともつながっています。今回は、言語学を専門とし、法学部で1年ゼミを担当されている貝森先生にお話を伺いました。


――先生は言語学をご専門とされているそうですが、先生のゼミではどのようなテーマを扱っているのでしょうか?
貝森:私のゼミでは、学生自身が日頃何気なく使っている身近な言葉について考えてもらうというテーマで授業を行っています。

――言葉について考えるというのはどういうことなのでしょうか?
貝森:たとえば「エモい」という表現がありますが、これは具体的にどのような感情を表していると思いますか。辞書には「感動的であること」などとありますが、それだけでは説明しきれないようにも思えます。また、「恋に“落ちる”」という言い回しについても、なぜ「昇る」や「向かう」などではなく「落ちる」なのでしょうか。そんなことを授業の中で考えてもらっています。

――どうして「エモい」や「恋に落ちる」と言うのか…考えたこともなかったです。
貝森:そうですよね。ですが、こうした「当たり前すぎて気にも留めないこと」こそが、面白い問いの出発点になります。言葉の意味やイメージを掘り下げていくと、私たちの考え方のクセや、さらには社会のあり方までもが見えてくるのです。

――とても興味深いです。では、ゼミで行う具体的な活動としてはどのようなことを行っているのでしょうか?
貝森:ゼミの中では、日常生活の中で何気なく使っている言葉を観察・分析したり、SNSやマンガ、ゲームに登場する表現についての論文を読んでもらって、それをもとに議論をしています。たとえば、「ツンデレ」という言葉について考察した論文や、『ONE PIECE』の登場人物の台詞を分析した研究なども題材として取り上げることがあります。

――マンガやゲームも学問の対象になるんですね!
貝森:こうした身近な題材を通して、「こんな見方もあるんだ」とか「こういうことも研究できるんだ」といった気づきを得てもらいたいと考えています。

――言葉について考えることで、どんな力を身につけることができるのでしょうか?
貝森:何気なく使っている言葉に敏感になることは、物事を批判的に考える力を育てる上でとても大切です。たとえば、近年よく耳にする「論破」という言葉。これは「相手を言い負かすこと」を意味しますが、その背景には、「議論とは戦いであり、そこには勝ち負けが存在する」という考え方が潜んでいます。本来、議論は意見をすり合わせたり、相互理解を深めたりする場のはずです。しかし、「論破」という言葉を使うことで、私たちの態度や考え方までもが「勝ち負けの構図」に引き寄せられてしまうことがあるんです。

――言葉の選び方に、考え方や価値観が表れるんですね。
貝森:その通りです。このように、ある意味最も身近な存在である「言葉」について立ち止まって考えてみることで、その背後にある価値観や前提を明らかにすることができます。

――言葉にアンテナを張ることは、法学部での学びにもつながっているのでしょうか?
貝森:はい、深く関係しています。法学や政治学と言語学とは一見無関係に見えるかもしれませんが、法律は言葉から成り立っており、その運用もまた言葉を通じて行われます。条文、判決文、契約書における言い回しひとつでその効力が大きく変わることもありますし、法や政治に対する私たちの理解は、メディアや日常の言説を通じて形成されている面もあります。だからこそ、法律や政治に関わる表現が、どのような言葉で語られているのかに目を向けることは重要なのです。

――言葉を意識することが法学部での学びにとっても大切なのですね。
貝森:はい、言葉の意味や使い方に注意を払うことは、法律やメディアを正確に読み取り、そこに込められた価値観や意図を見抜く力につながります。たとえば、組織を改変することを「改革を前に進める」と言えば、前向きで積極的な印象を与えます。一方で「組織にメスを入れる」と表現すれば、痛みを伴う変革がイメージされます。さらに「腐ったリンゴを取り除く」と言えば、組織の問題を一部の人間に帰属させるような響きも感じられます。

――同じことでも、言い方次第でまったく違った印象になるんですね。
貝森:言葉の選び方で、同じ物事がまったく異なる意味合いを帯びるのです。ときには、こうした言葉選びが、特定の立場や政策を正当化するために、知らず知らずのうちに使われている場合もあります。だからこそ、「どんな立場で、なぜそのように語られているのか」ということを見抜く力は、法律や政治を学ぶ上で欠かせないものなのです。

――最後になりますが、貝森先生からこの記事の読者にメッセージがあればお願いいたします。
貝森:「当たり前すぎて普段は気にも留めないこと」をじっくりと考えてみる。大学はそんな経験ができる場所です。法学部のゼミは1クラス15人程度の少人数制で、先生やクラスメートとの距離が近く、じっくりと議論できる環境が整っています。先生やクラスメートとともに問題と向き合う経験は、視野を広げ、物事を多面的に捉える力につながります。大学を卒業した後も、きっと大きな力となるはずです。

――貝森先生、本日はありがとうございました。

2025.06.18 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】国際貿易と国際運送の仕組みを“法”で読み解く

様々なキャリアをもつ実務家をお招きし、将来の職業選択に役立てる「法学部生のキャリアデザイン」の授業では、今回(株)阪急阪神エクスプレスの山本明先生を新松戸と龍ケ崎の両キャンパスにお招きしました。

山本先生からは、まず、国際貿易にはメーカー、商社、銀行、海運会社、航空会社、保険会社など多くの業種がかかわっていることについて紹介があり、海上輸送や航空運送の現場の様子を豊富な写真を交えて説明していただきました。


授業の中では、横浜に本社のある楽器製造メーカーが、エレキギターをアメリカに輸出するという想定のもと、メーカー側に有利な契約書を考えるという課題も出されました。この課題に取り組むなかで、引き渡し場所や支払い条件、納期や製品保証など、契約書に記入する一言一句が、取引に大きな意味をもつことを改めて認識することができました。



山本先生のご講義は、国際貿易や企業法務の概要に加え、地政学リスクや保護貿易主義の台頭にも触れながら、物事を俯瞰的に捉えることの大切さを教えてくださるものであり、学生たちにとっては大変貴重な機会となりました。

「法学部生のキャリアデザイン」では、これからも法の知識が社会で役立つことを実感できるよう、実践的な学びを一層深化させていきます。

 

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