法学部

龍ケ崎 新松戸

Law

法学部

自治行政学科

学びの特色

  • 特色1

    公務員志望者を
    徹底的にサポート

    都道府県庁や市役所勤務を目指す人に、試験勉強から面接対策まで、きめ細かいバックアップを行います。

  • 特色2

    警察官・消防官志望者の
    実践的学びを支援

    通常授業・課外講座による充実した試験対策に加え、サークル活動を通じた現場で役立つ学びも豊富です。

  • 特色3

    多彩な進路への
    対応

    金融・不動産・物流など、ビジネス界で必要とされる法的思考力を、理論と実践の両面から育みます。

学びの分野

  • 公共法務

    #自治体 #地方財政 #人権擁護 #社会保障

    県庁・市役所などの公務員として地域社会に貢献できる人材を目指す学びです。憲法、行政法、政治学、行政学などを中心に学び、地域の課題を解決する政策形成能力を養います。
  • 地域共創

    #地域おこし #コミュニティ #観光 #文化

    地域の問題解決には民間企業やNPOなどと自治体の協働が不可欠です。ビジネスを通してまちづくりに貢献できる人材を目指し、地域政策論やコミュニティ論などを学びます。
  • 地域の安全と防災

    #防災政策 #危機管理 #刑事手続 #スポーツ

    警察官・消防官など、地域の安全や防災に貢献できる人材を育成するために、防災政策論や警察・消防行政概説などを開講し、安全・安心の実現に向けた政策構想力を養います。

自治行政学科の“実学”

  • 実践事例から学ぶ
    コミュニティ論

    この授業では、私たちの日常生活、環境を考えるうえで必要なコミュニティ論の基礎や、コミュニティによる現代的な諸問題の解決に向けた実践事例について学びます。ワークショップ形式の授業も行っています。

  • エビデンスに基づく政策形成
    (田中ゼミ)

    エビデンスに基づく政策形成とは、政策目的を達成するために効果的な方法は何か、根拠をもって示す政策立案の一連の流れを指します。ゼミでは少子化対策を題材に、松戸市と流山市の政策を比較します。

自治行政学科ゼミテーマ一覧(一部抜粋)

  • 日本とはどのような国・社会なのか(植村ゼミ)
  • 身近な地域課題を調べて考える(唐崎ゼミ)
  • まちづくり政策の比較研究(尾内ゼミ)
  • エビデンスに基づく政策形成(田中ゼミ)
  • これからの労働法政策を考えよう(石川ゼミ)
  • 危機管理と時事問題(塚田ゼミ)
  • 現場で学ぶ憲法(栗田ゼミ)
  • 事例から学ぶ行政法(周ゼミ)
  • 刑事法上の重要問題について考える(島田ゼミ)
  • ガバナンス時代における人材育成(坂野ゼミ) など

カリキュラム

1年生

学びの分野
公共法務
地域共創
地域の安全と防災
必修科目
基本科目
  • 1年演習
  • 情報リテラシー演習
  • データリテラシー演習
必修科目
専門共通科目
  • 市民と法
  • 民法1(総則)
  • 国家と法
選択必修科目
キャリア科目
  • 法学部生のキャリアデザイン

2年生

学びの分野
公共法務
地域共創
地域の安全と防災
必修科目
基本科目
  • 2年演習
選択必修科目
専門基幹科目
  • 行政法(行政作用法)ⅠⅡ
  • 政治学原論ⅠⅡ
  • 行政学ⅠⅡ
  • 地域政策論ⅠⅡ
  • 国際法ⅠⅡ
  • 法制史ⅠⅡ
  • 憲法B C
  • 民法2(物権)
  • 民法3(債権各論)ⅠⅡ
  • 家族法ⅠⅡ
  • 刑法(総論)ⅠⅡ
  • 刑法(各論)ⅠⅡ
  • 公務員制度論
  • 日本政治論ⅠⅡ
  • 警察・消防行政概説ⅠⅡ
  • 法律実務研究
  • 西洋政治思想
選択科目
専門展開科目
関連科目
  • 法社会学
  • 民事訴訟法ⅠⅡ
  • 公共法務特殊講義(行政職)ⅠⅡ
  • 法律専門職研究
  • 財政学ⅠⅡ
  • 民法5(担保法)
  • 地域起こし政策論
  • 観光の法と政策
  • 商法(会社法)ⅠⅡ
  • 法と文化ⅠⅡ
  • 社会心理学
  • 法社会学
  • 刑事手続法ⅠⅡ
  • 法律専門職研究
  • コミュニティ論
  • 地域社会学

3年生

学びの分野
公共法務
地域共創
地域の安全と防災
必修科目
基本科目
  • 3年演習
選択必修科目
専門基幹科目
  • 社会保障法
  • 地方自治法
  • 自治体経営論
  • 労働法ⅠⅡ
  • 消費者法
  • 行政法(行政救済法)
  • 危機管理論
  • 防災政策論
  • 国際協力論
選択科目
専門展開科目
関連科目
  • 民事執行・保全法
  • 経済法ⅠⅡ
  • 地方財政論
  • 知的財産法
  • 公共法務研究
  • マクロ経済学ⅠⅡ
  • ミクロ経済学ⅠⅡ
  • 外国法
  • 経済法ⅠⅡ
  • 税法(法人税法)
  • 法律専門職特殊講義(行政書士)ⅠⅡ
  • 法律専門職特殊講義(宅建士)ⅠⅡ
  • 商法(会社法)Ⅲ
  • スポーツと法(契約)
  • スポーツと法(事故・人権)
  • 公共法務研究
  • 法学特殊講義
  • 民法4(債権総論)

4年生

学びの分野
公共法務
地域共創
地域の安全と防災
必修科目
基本科目
  • 4年演習

授業Pick up

地方自治概論

地方自治概論は、地方自治に関わる制度や機構を正確に理解することからスタートします。国と地方の関係、都道府県と市町村の役割分担などを概観し、住民参加や地方財政の問題も取り上げていきます。地方自治体のトップである首長や現場で活躍する職員の方から直接お話を聞く機会もあります。受講者が自分の居住する自治体の政策を調べて発表する時間を設けていることも、本授業の特徴です。

公務員制度論

ひとくちに公務員といっても、さまざまな種類があります。授業では、公務員制度に関する基礎的な知識について歴史や法律などを通して理解するとともに、海外の公務員との比較から日本の公務員制度の特色を把握します。

警察・消防行政概論Ⅰ・Ⅱ

警察と消防の任務、組織、活動を法制度と実態の両面から学びます。警察、消防に関する基本的知識を習得するとともに、警察官・消防官の心構えを理解し、将来の職業選択に役立てます。

STUDENT’S VOICE

地元・牛久市の
地域振興を目指しています

夏休みに龍ケ崎市役所企画課のインターンシップに参加、市民アンケート調査を手伝いました。市民の疑問に答えられるよう、現在は民法の学修に力を入れています。将来は生まれ育った牛久市の市役所職員として、地域の振興に携わりたいですね。

法学部 自治行政学科 2年(取材当時)
鈴木 乃々佳さん

鈴木さんの1日のスケジュール

1 9 : 0010 : 30
2 10 : 4512 : 15 西洋文化論Ⅱ 地方自治論Ⅱ 民法Ⅱ(物権)
3 13 : 0514 : 35 地域おこし政策論 日本文学Ⅱ 生態学Ⅱ 2年演習(ゼミ)
4 14 : 5016 : 20 キャリア
デザインⅡ
English
Communication
初級Ⅱ
法制史Ⅱ インターンシップ
5 16 : 3518 : 05 法律実務研究

埼玉県吉川市役所 内定

先生や先輩が公務員対策を後押し

当初から自治体職員を志望。公務員試験対策のスタートは、2年次の4月でした。ゼミの先生や自治体職員として活躍中の先輩から、情報提供や面接対策をしていただいたのが効果的だったと思います。これまでに学んだ公務員としてのノウハウや地域づくりのための知識を、日々の業務につなげていければと考えています。

法学部 自治行政学科 武井 椋亮さん

GRADUATES’ VOICE

法律関係の知識が 今も役立っています

2020年度 法学部 自治行政学科卒業
小田 智也さん

松戸市立総合医療センター事務局管財課職員として、病院で使用する物品の契約や購入、管理に関する職務に就いています。市役所職員や警察官を目指していたので、在学中は地方自治や刑法などの法律関係を中心に学び、現在でも役に立っています。就職活動では、特にゼミからのサポートが手厚かったですね。公務員試験全般から面接やエントリーシートへの対応までと幅広く、ゼミの先生や公務員として活躍されている先輩方からご指導いただきました。現在、どの市役所でも災害などに対する備えの重要性が認識されるようになっています。これから公務員を目指す方は、法律全般はもちろん、防災や危機管理についても学ぶと良いでしょう。今後も市民全体の奉仕者として、どの部署に配属されても大学で学んだ知識やゼミ活動での経験を糧に貢献していきたいです。

ゼミ活動を通じて 働く人の想いに触れ 目指した町役場へ

2018年3月 法学部 自治行政学科卒業
秋山 裕作さん

大学1年生の頃から、街に住む人に最も近いところで仕事をしたいという想いがあり、公務員に関心を持っていました。ゼミ活動の一環で、利根町の観光事業について他大学の学生と一緒に調査・研究した際、利根町役場の方々の強い想いを知り、ここで働きたいと思い志望しました。現在は利根町で施行される条例や規則の審査、選挙の事務などの仕事を担当しているため、大学の授業やゼミ、サークルで学んだ憲法や民法などの法律に関する知識が、業務でも活きています。自分が携わった条例や規則が実際に運用されている場面を見て、まちの役に立てていると実感し、やりがいを感じています。

取得可能な教員資格

  • 中学校教諭一種免許状「社会」
  • 高等学校教諭一種免許状「公民」

目指せる進路

  • 地方公務員(県庁・市役所など)
  • 国家公務員
  • 独立行政法人職員
  • 行政書士
  • 警察官
  • 消防官
  • 中学・高校教員
  • スポーツ関連業界 など

最新NEWS

2025.07.11 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

世界に目を向けよう―ニュースを通して世界を知り、自分の言葉で語るゼミ       第32回 法学部で広がる未来の自分の可能性

世界では、日々様々なことが起こっています。私たちの日常とは一見関連のないように見える遠い場所の小さいニュースでも、実は日々の生活を変えるような重要な出来事につながるかもしれません。今回は「世界を知ることで自分を知る・自分の言葉で語る」というテーマで1年次のゼミの授業を行なっている、法学部の大塩先生にお話をお聞きしました。アメリカ研究を専門とする大塩先生のゼミではどのようなことを学べるのか、ぜひ最後までご覧ください。

――大塩先生はアメリカ研究がご専門とのことですが、1年生向けのゼミではどのようなことを行っているのでしょうか?
大塩:私の専門は、主に19世紀から20世紀にかけてのニューヨーク社交界や映像作品におけるニューヨークの描かれ方についてなのですが、ゼミではそれにこだわらず、学生それぞれの興味に合わせて授業を進めています。特に「外国に関連するニュースを取り上げて、自分の意見を述べる」ことを主軸にしてゼミ活動を進めています。

――なぜニュースを取り上げる形式にしているのですか?
大塩:学生の多くが、必ずしも最初から外国の出来事や歴史に強い関心があるとは限りません。けれど、海外の出来事に少しでも目を向け、自分なりの考えを持つことは、どんな分野でも役立つ力になると思ってます。だからこそ、身近なニュースを通じて学生の皆さんが世界とつながるきっかけをつくりたいと思っています。

――具体的にはどんな活動をするのでしょう?
大塩:毎回のゼミでは、学生に「自分が興味を持ったニュース」を選んでもらい、その内容を簡単にまとめてプレゼンをしてもらいます。その上で、「自分はそれをどう感じたか」「なぜそのニュースを選んだか」といった自分の意見も発表してもらいます。最初はどのようなニュースでもいのですが、プレゼンの回を追うごとに「法律に関するニュース」や「外国に関するニュース」など、テーマを変え、少しずつ、普段あまり意識しないテーマに興味を持ってもらおうとしています。

――発表は緊張しそうですが、大事な経験ですね。
大塩:そうですね。でも大切なのは、「正しい意見を言うこと」ではなく、「自分の考えを言葉にして伝えること」です。自分の言葉で話す力は、将来、どんな道に進んでも必要になりますし、「外国」や「他者」に目を向けることで、逆に自分や日本社会のあり方に気づくこともあります。

――言葉にすることは、自分を知る手がかりにもなるんですね。
大塩:まさにその通りです。「他者」や「異文化」を学ぶことは、自分自身を相対化することでもあります。世界の様々な出来事や歴史、そして現状を知ることは、今のグローバル社会や日本の課題について考える手がかりにもなります。そうした視点を、少しでもゼミを通して1年生のうちから身につけてほしいと思っています。

――最後に、この記事の読者にメッセージがあればお願いします。
大塩:「外国のことはよくわからない」と思っていても大丈夫。まずは一つのニュース記事、ひとつの出来事からでいいんです。そこで自分が感じたことを、言葉にしてみる。それが、学びの第一歩です。ゼミという小さな場だからこそ、安心して試せることもあるはずです。

――大塩先生、本日はありがとうございました。

2025.07.10 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】行政書士が支える「多様さが強みになる社会」 

「法学部生のキャリアデザイン」では、様々なキャリアをもつゲストの方からお話を伺い、将来の進路選択に役立てる授業を展開しています。今回は行政書士の金子三佳子先生が、龍ケ崎と新松戸の両キャンパスにお越しくださいました。

行政書士とは行政書士法に基づく国家資格で、「官公署に提出する書類」の作成・手続代理・相談と、「権利義務又は事実証明に関する書類」の作成・代理・相談が主な業務です。

金子先生が多く手掛けていらっしゃるのは、外国人の方の在留資格に関する手続きです。

世界中の人の夢や成功、幸せのお手伝いができる魅力がある一方、厳しい期限があり、どうにもならない結果にも向き合わなければならない大変さもある、とお仕事の実情を語ってくださいました。

新松戸キャンパスには、行政書士のお仲間である山賀良彦先生がお越しくださり、遺言など権利義務に関わる書類作成の業務について、詳しくお話いただきました。

金子先生は被災地支援にも力を入れていて、大船渡市の復興支援や能登町での住民向け相談会にも専門家として携わっておられます。法学部で学ぶ学生にとって、「書類を作成する力」が復興支援につながることは、新たな気づきとなったようです。

災害時に外国人の方は復興の担い手にもなります。共に生きる住民であるという受容と自覚が必要である、とのメッセージに多くの学生が共感する素晴らしいご講義でした。

金子先生は、現実社会の問題解決に法の知識が貢献できることを、豊富な事例を交えて教えてくださいました。これからも「法学部生のキャリアデザイン」では、法と社会との関係を意識した実践的な学びを深めていきます。

2025.07.03 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】「知識とスキルで人々を守る」千葉県警によるご講義

様々なキャリアをもつ実務家からお話をうかがう「法学部生のキャリアデザイン」では、今回、千葉県警からゲスト講師の方々が新松戸キャンパスにお越し下さいました。


まず採用責任者の市村警視より、千葉県警察の組織の紹介とともに、ご自身のキャリア形成についてお話がありました。警察官の職務は、警察官職務執行法に代表されるように、全て法に基づいて行われていることにもふれていただきました。


続いて本学卒業の警察官2人も加わり、採用試験に向けた勉強方法や千葉県警に入ってよかったことを話していただきました。警察官として活躍する先輩方の姿は、学生にとって大きな励みとなったようです。


授業終了後には、警察官の業務に関心をもつ全学の学生を対象に、フリートークを開催していただき、それぞれが進路への道標を得た様子でした。

事件や災害に遭った人々が、まず頼りにするのは警察官です。そうした人々の支えになれるよう、日夜奮闘する警察官の職務の崇高さを、参加者一同、改めて心に刻む貴重な機会となりました。

これからも「法学部生のキャリアデザイン」では、最前線で活躍する実務家から直接学ぶことを通じて、学生のキャリア選択を支援していきます。

2025.06.26 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】「ウェルビーイングと経済の両立」に挑む

法学部の開講する「法学部生のキャリアデザイン」では、毎回様々なキャリアをもつゲストの方からお話を伺い、将来の進路選択に役立てる授業を展開しています。今回はChicabi(チカビ)代表取締役の川上鉄太郎先生が新松戸キャンパスにお越しくださいました。

川上先生は、法学部卒業後ビジネススクールに進学し、コンサルタント会社を経て、起業された方です。


牛の預託事業とキャンプ場を併設した千葉ウシノヒロバ、九十九里町で食品加工を行うLOCAL FACTORYなどを経営する川上先生ですが、事業を展開する際に役立っているのは法律の知識だそうです。関連する法令の調査から契約の締結まで、法律の素養があることによって、あらゆる場面での様々なリスクに対処できると語ってくださいました。

川上先生が手掛ける事業に共通する目標は「ウェルビーイングと経済の両立」です。ウェルビーイングとは「身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること」を示す概念ですが、日本ではこのウェルビーイングの水準が低いことが問題となっています。川上先生の掲げるビジョンに共鳴した学生も多く、「キャンプ場に行ってみたい」という感想も寄せられました。


川上先生が学生に提示してくださった「人生の選択肢を増やし、自己決定する」ことの重要性は、これから進路を選ぶ学生にとって大きな指針となるものでした。「法学部生のキャリアデザイン」では、今後も幅広いキャリア形成に役立つような実践的な学びを一層充実させていきます。

2025.06.19 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

「エモい」も「論破」も法学の入り口?――法学部における言葉の学び   第31回 法学部で広がる未来の自分の可能性

「エモい」「ツンデレ」「論破」――どれも耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。なんとなく使っているけれど、「エモいってどんな感情?」「“論破した”って言いたがる人がいるのはなぜ?」などと聞かれると、意外と説明が難しいものです。実は、こうした身近な言葉を深掘りしていくことが、法学部での学びともつながっています。今回は、言語学を専門とし、法学部で1年ゼミを担当されている貝森先生にお話を伺いました。


――先生は言語学をご専門とされているそうですが、先生のゼミではどのようなテーマを扱っているのでしょうか?
貝森:私のゼミでは、学生自身が日頃何気なく使っている身近な言葉について考えてもらうというテーマで授業を行っています。

――言葉について考えるというのはどういうことなのでしょうか?
貝森:たとえば「エモい」という表現がありますが、これは具体的にどのような感情を表していると思いますか。辞書には「感動的であること」などとありますが、それだけでは説明しきれないようにも思えます。また、「恋に“落ちる”」という言い回しについても、なぜ「昇る」や「向かう」などではなく「落ちる」なのでしょうか。そんなことを授業の中で考えてもらっています。

――どうして「エモい」や「恋に落ちる」と言うのか…考えたこともなかったです。
貝森:そうですよね。ですが、こうした「当たり前すぎて気にも留めないこと」こそが、面白い問いの出発点になります。言葉の意味やイメージを掘り下げていくと、私たちの考え方のクセや、さらには社会のあり方までもが見えてくるのです。

――とても興味深いです。では、ゼミで行う具体的な活動としてはどのようなことを行っているのでしょうか?
貝森:ゼミの中では、日常生活の中で何気なく使っている言葉を観察・分析したり、SNSやマンガ、ゲームに登場する表現についての論文を読んでもらって、それをもとに議論をしています。たとえば、「ツンデレ」という言葉について考察した論文や、『ONE PIECE』の登場人物の台詞を分析した研究なども題材として取り上げることがあります。

――マンガやゲームも学問の対象になるんですね!
貝森:こうした身近な題材を通して、「こんな見方もあるんだ」とか「こういうことも研究できるんだ」といった気づきを得てもらいたいと考えています。

――言葉について考えることで、どんな力を身につけることができるのでしょうか?
貝森:何気なく使っている言葉に敏感になることは、物事を批判的に考える力を育てる上でとても大切です。たとえば、近年よく耳にする「論破」という言葉。これは「相手を言い負かすこと」を意味しますが、その背景には、「議論とは戦いであり、そこには勝ち負けが存在する」という考え方が潜んでいます。本来、議論は意見をすり合わせたり、相互理解を深めたりする場のはずです。しかし、「論破」という言葉を使うことで、私たちの態度や考え方までもが「勝ち負けの構図」に引き寄せられてしまうことがあるんです。

――言葉の選び方に、考え方や価値観が表れるんですね。
貝森:その通りです。このように、ある意味最も身近な存在である「言葉」について立ち止まって考えてみることで、その背後にある価値観や前提を明らかにすることができます。

――言葉にアンテナを張ることは、法学部での学びにもつながっているのでしょうか?
貝森:はい、深く関係しています。法学や政治学と言語学とは一見無関係に見えるかもしれませんが、法律は言葉から成り立っており、その運用もまた言葉を通じて行われます。条文、判決文、契約書における言い回しひとつでその効力が大きく変わることもありますし、法や政治に対する私たちの理解は、メディアや日常の言説を通じて形成されている面もあります。だからこそ、法律や政治に関わる表現が、どのような言葉で語られているのかに目を向けることは重要なのです。

――言葉を意識することが法学部での学びにとっても大切なのですね。
貝森:はい、言葉の意味や使い方に注意を払うことは、法律やメディアを正確に読み取り、そこに込められた価値観や意図を見抜く力につながります。たとえば、組織を改変することを「改革を前に進める」と言えば、前向きで積極的な印象を与えます。一方で「組織にメスを入れる」と表現すれば、痛みを伴う変革がイメージされます。さらに「腐ったリンゴを取り除く」と言えば、組織の問題を一部の人間に帰属させるような響きも感じられます。

――同じことでも、言い方次第でまったく違った印象になるんですね。
貝森:言葉の選び方で、同じ物事がまったく異なる意味合いを帯びるのです。ときには、こうした言葉選びが、特定の立場や政策を正当化するために、知らず知らずのうちに使われている場合もあります。だからこそ、「どんな立場で、なぜそのように語られているのか」ということを見抜く力は、法律や政治を学ぶ上で欠かせないものなのです。

――最後になりますが、貝森先生からこの記事の読者にメッセージがあればお願いいたします。
貝森:「当たり前すぎて普段は気にも留めないこと」をじっくりと考えてみる。大学はそんな経験ができる場所です。法学部のゼミは1クラス15人程度の少人数制で、先生やクラスメートとの距離が近く、じっくりと議論できる環境が整っています。先生やクラスメートとともに問題と向き合う経験は、視野を広げ、物事を多面的に捉える力につながります。大学を卒業した後も、きっと大きな力となるはずです。

――貝森先生、本日はありがとうございました。

2025.06.18 学科トピックス お知らせ 法律学科 自治行政学科

【法学部】国際貿易と国際運送の仕組みを“法”で読み解く

様々なキャリアをもつ実務家をお招きし、将来の職業選択に役立てる「法学部生のキャリアデザイン」の授業では、今回(株)阪急阪神エクスプレスの山本明先生を新松戸と龍ケ崎の両キャンパスにお招きしました。

山本先生からは、まず、国際貿易にはメーカー、商社、銀行、海運会社、航空会社、保険会社など多くの業種がかかわっていることについて紹介があり、海上輸送や航空運送の現場の様子を豊富な写真を交えて説明していただきました。


授業の中では、横浜に本社のある楽器製造メーカーが、エレキギターをアメリカに輸出するという想定のもと、メーカー側に有利な契約書を考えるという課題も出されました。この課題に取り組むなかで、引き渡し場所や支払い条件、納期や製品保証など、契約書に記入する一言一句が、取引に大きな意味をもつことを改めて認識することができました。



山本先生のご講義は、国際貿易や企業法務の概要に加え、地政学リスクや保護貿易主義の台頭にも触れながら、物事を俯瞰的に捉えることの大切さを教えてくださるものであり、学生たちにとっては大変貴重な機会となりました。

「法学部生のキャリアデザイン」では、これからも法の知識が社会で役立つことを実感できるよう、実践的な学びを一層深化させていきます。

 

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