ともに成長し、ともに夢を追う体育教師になりたい。スポーツに熱中した私だからこそ見つけた夢。

スポーツ健康科学部 スポーツ健康科学科 4年 鈴木 菜穂

生徒が悔しいと、私も悔しい

「できなくて、悔しい…」。その言葉が、私の胸にズンと重く響きました。コーチを務める新体操教室で、小学1年生の生徒が泣きながら発した一言です。「悔しい」という気持ちを抱かせることができたという達成感もあったのですが、一方で「まだまだ教えきれていない」という未熟さを強く痛感しましたね。私の伝え方次第では、こちらが思っていたのと違う動きをしてしまう。歳の離れた子に教えることがこれほど難しいとは思いもしませんでした…。いまは「なんとかしてこの子を伸ばしてあげたい」という想いで指導にあたっています。

コーチングの授業で大きく成長

流経大での「コーチング」の授業で、指導者として大切な考え方を学びました。それは、指導における「正解」とは「人から与えられるものではなく、自らが創り出すものだということ。失敗したくない一心で、何事にもすぐに「正しさ」を求めていた私でしたが、「コーチングには決まった正解・不正解がない。相手によって言葉や仕草を変える必要がある」という先生の言葉で大きく変われました。それからは各人に合った教え方を試行錯誤するようになり、私自身の自主性も育まれました。教室には幼稚園児から高校生まで幅広い年代の生徒がいて、個性も考え方も十人十色。その子にとって一番効果的なアプローチをするように心がけています。

新体操の「楽しさ」を感じてほしい

教室に来る生徒には「新体操は楽しい。自分を表現するのはステキだ」と感じてもらいたいんです。 私は高校時代、インターハイ優勝や国体準優勝などの実績を残す強豪校に所属していたのですが、指導の厳しさや周囲のプレッシャーは相当なもの。何回も部活をやめたくなり、心から楽しむことはできていませんでした。しかし、流経大の新体操部に入って、コーチに「せっかく続けるんだから、自分のやりたいように演技をすればいいんじゃない」と言われて、「そういえば、昔は純粋に自分を表現することを楽しめていたな」って思い出したんです。すると考え方も変わり、新体操がもっと好きになりました。私が大学で変われたように、「やらされている」子の気持ちを変えることができれば、これほどうれしいことはありません。技術面だけでなく、メンタル面も上手くコーチングしていきたいですね。

経験を伝えられる体育教師に

これまでの運動経験や学びを活かすために「特別支援学校の体育教師になりたい」と思うようになりました。きっかけは、大学での実習の授業。特別支援学校の生徒たちの「ハンディキャップを言い訳にせず、自分の果たすべき仕事や役割を全うする姿」に感銘を受けて「この子たちのお手伝いがしたい」と思ったんです。スポーツの楽しさを知ってもらうことはもちろん、その先の可能性も示すことができればと考えています。将来、アスリートを目指す、そんな夢を与えられる先生になりたいですね。

※掲載内容、学年は取材時のものを採用しています。

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