アメフトの司令塔から確かな指導のできる体育教師へ。クォーターバックとして培った伝達力が、教師を目指す僕の武器だ。

スポーツ健康科学部 スポーツコミュニケーション学科 2年 鈴木 郷士

自分の考えを主張できる人に

「思ったことをなかなか口に出せない」のが昔からの悩みでした。高校では野球部に所属していたのですが、仲間にアドバイスしたくても「嫌な思いをさせたら…」と考えてしまい、いつもためらっていました。そんな自分を変えたくて進学したのが流経大のスポーツコミュニケーション学科。スポーツを通した人との関わりの中で、自分に足りないものを補っていければと思いました。

大会運営で学んだコミュニケーションの大切さ

特に印象に残っている活動は、2年ゼミの授業の一環で、バスケットボール大会「バスラボカップ」を主催したことです。学科内のゼミを招待し、2日間にわたるリーグ戦を行ったのですが、当日の運営が予想以上に難しくて。スケジュールは後ろにずれ込むし、スタッフが自分の仕事を忘れてしまうこともあるし、本当にバタバタしました。それでも、「ここの試合開始が少し遅れています」とか「次は、◯◯さんが案内と誘導をする番だよ」とか、お互いに声を掛け合うことで、大きなトラブルもなく大会を終えることができたんです。コミュニケーションをとる重要性を身をもって実感することができました。

司令塔を任され「責任」の意味を知った

流経大に入学してから、だんだんとコミュニケーション能力が上がってきたと自負しているのですが、授業以外の大きな要因として、大学からアメリカンフットボールを始めたことがあると思います。現在は、クォーターバックという、いわゆる「司令塔」のポジションを任されています。味方のコンディションや相手チームの特徴などを考慮して、作戦や細かいプレーをすべて指示しなければなりません。

周りに先輩もいる中でスムーズに指示を受け入れてもらうため、普段から意見交換をするように心がけています。アメフトのことを真剣に学び、「こういうプレーをしてほしい」と伝える習慣を身につけたことで、自分の意見を言うことに抵抗がなくなりましたね。ただ、人に指示したり、情報を発信したりすることには責任が伴います。間違ったことを言わないように、まずは自分でしっかりと考えるように心がけています。

新しい視点を提供できる体育教師に

これまでのスポーツ経験を生かすために、将来は高校の体育教師になりたいと考えています。運動の指導をすることはもちろん、普段の学校生活から生徒の相談にものってあげたりして、誰かの憧れになれたらいいですね。また、一人ひとりに合ったアドバイスができるように、アメリカ留学を経験し、海外のスポーツ事情を学んでみたいと思っています。僕自身、アメフト部のアメリカ人コーチによる指導によってプレーや考え方が大きく変わり、新しい視点を取り入れることの重要性が分かりました。「クォーターバックが味方に合わせるのではなく、味方がクォーターバックに合わせるようなチームにしてはどうか」と言われて、「そんなチームなら、楽しくプレーできそう」と思ったんです。

スポーツについて幅広い知識が身につけば、「こうしなきゃダメ」と押し付けるのではなくて、「こんな考え方や、あんな考え方があるけど、どれがいいと思う?」といったように、一緒に考えることができるでしょう。「スポーツって楽しいな」と思える子が、一人でも多く増えたらいいですね。

※掲載内容、学年は取材時のものを採用しています。

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