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SCOPE#1 FOOD

自治行政学科

自治体行政と市民、企業、NPOなどが
協力してエシカル消費を実現する方法

学校給食に「地産地消」を取り入れるには?

世界的に地球環境問題やサステナビリティの意識が高まるなか、消費者一人ひとりが社会・環境に配慮した消費行動を心がける「エシカル消費」に注目が集まっています。自治行政の分野においてもエシカル消費を普及する取り組みが増えており、たとえば「食」にまつわるエシカル消費というと「地産地消」「フードロス削減」「エコバッグやマイボトルの活用」「節水」などを、地域社会に取り入れる自治体が多くなっています。
では、例えば「学校給食に地産地消を取り入れたい」という場合、どのようなプロセスが必要でしょうか。
まずは、現在、学校給食で提供されているメニューおよび食材を見直さなければなりません。そして、各食材の流通ルートを調査した上で、遠方からの仕入れを極力削減し、地域の食材を仕入れることができるよう、地元の生産者や流通業者との取引を増やす仕組み作ります。そして地元食材を中心としたメニューを開発し、児童生徒に提供します。
ざっくり言えばこのような流れになりますが、実際に実現しようとすれば、給食センターや各学校の給食室はもちろん、自治体、教育委員会、学校、生産者、流通業者、そして消費者(児童生徒・親御さん)などさまざまな現場の理解・協力を得たり、それぞれが上手に連携しなければ実現できません。
一見すると、エシカル消費は消費者の意識を変えることだけを指しているように見えますが、それだけでは地球環境問題の解決やサステナビリティには直結しづらいものです。個人ではなく地域社会での取り組みを増やすことで、日本全体、さらには世界規模、地球規模での課題解決へと繋がっていくのです。

実際の授業では、さまざまな社会課題やまちづくりのテーマを掲げ、どのようにしたらよりよい社会の仕組みを作れるか? を考えていきます。グループワークやディスカッションで仲間と意見をシェアしたり議論したりする場面も多く、物事を多角的に考察する力も身につきます。
PROFILE

法学部 大学院
法学研究科 教授
尾内 隆之 先生

<専攻>

自治行政学

先生が担当するゼミテーマ
環境にやさしいまちづくり
このお話に関わりのある授業
地域政策論
コミュニティ論

高校生の皆さんへ

この学科で学べる「自治行政学」とは、地方自治の仕組みや自治体運営に関わる法律を学び、「地域の課題解決」や「まちづくり」に生かせる知識や思考力を深めていく学問です。国家・地方公務員や都市問題や都市政策、地域福祉の専門家など、将来、地域社会を支える仕事に就きたい人やその分野について学びたい人にとって、大変興味深く学修できる学科だと思います。
また、自治行政学を学んでいくと、今、世の中にある「当たり前」と思っていることが、じつは必ずしもそうではないこと。あるいは一見繋がっていないように思える物事でも、どこかで繋がっていて、私たち個人と社会はとても近く、深い関係であると気付かされるはずです。物事を広い眼で見られるようになり、そのような思考は将来さまざまな場面で役立つでしょう。学びを楽しんで、視野を広げてください。