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SCOPE#2 FASHION

流通情報学部

デジタルが変える
ファッションの買い方・つくり方
流通情報学部で学ぶ、
次世代のファッションビジネス
PROFILE

流通情報学部
流通情報学科 准教授
岡本 鉄兵 先生

専攻
  • 人間工学
  • UI/UXデザイン
先生が担当するゼミテーマ
  • ヒューマンコンピュータ
    インタラクション
  • 人間中心設計
PROFILE

流通情報学部
流通情報学科 助教
沼 賢二 先生

専攻
  • マーケティング
  • 消費財ブランド
  • 商品開発
先生が担当するゼミテーマ
  • マーケティング戦略
  • 消費者行動

買う体験が進化する
ファッション×デジタルの最前線

沼先生 流通情報学の視点でファッションを見ると、まず大きく関わってくるのが「買い方」です。これまでファッションは、実店舗に足を運び、試着して購入するのが当たり前でした。しかし現在は、EC(インターネット通販)の普及によって、時間や場所を問わず服を選べるようになっていますよね。さらに近年は、AIやVRまたはARなどのデジタル技術を活用した「ファッションテック」が急速に進化し、買い物のあり方そのものが変わりつつあります。

岡本先生 その象徴的な例が、アバターを使った「デジタルフィッティング(仮想試着)」ですね。自分の体型データをもとにデジタル上に分身をつくり、そのアバターにデジタル化した商品(服)を着せて商品画像では分からないサイズ感やシルエットを確認する仕組みです。これにより、“実際に届いてみたらイメージと違った”“サイズが合わなかった”といったEC特有の不安を減らすことができます。

沼先生 さらに、過去の購買履歴や閲覧データをもとに好みに合った商品を提案する「レコメンド機能」などもAIによって進化していますよね。AIは、商品提案に限らず、需要予測や在庫管理などにも利用されています。現在の商取引は、単に“商品を並べて売る”のではなく、“どう選んでもらうか”、その先にある、“顧客にとって価値のある、どのような体験を提供するか”まで含めて設計する時代になってきているんです。

岡本先生 こうした体験設計は、UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインと呼ばれ、今のファッション業界では顧客満足度やブランド価値を左右する重要な要素になっています。実店舗での接客に代わる体験を、デジタル空間でどうつくるか。また、そのような購入体験だけでなく、デジタルファッションそのものの新たな利用体験の提案など、その工夫の差が、企業の競争力につながっています。
 最近では、実際に人が着る服だけでなく、デジタル空間の中だけで展開されるファッションビジネスも登場しています。ゲームのキャラクターに着せる服や、メタバースの世界で使われるアバター用の衣装がその代表例です。現実には存在しない「デジタルのキャラクター」に向けて「デジタルの服」を購入するという、新しい消費のかたちが生まれています。デジタルデータは、劣化せずに複製できてしまうので、NFT(非代替性トークン)と呼ばれる技術を用いて、そのデータが本物であることを証明しています。

沼先生 デジタルファッションの面白い点は、現実の制約を受けにくいことです。重さや素材の制限がないため、現実では作れないようなデザインや演出も可能になります。色が変化したり、光を放ったりといった表現もでき、ファッションデザインの自由度は大きく広がりますね。また、現実の服をデザインするときもデジタルツールを使うことで、布を使った試作回数を減らして、効率よく低コストに商品を作ることが可能になります。

流通×情報で学ぶ
ファッションビジネスの未来

沼先生 ECが発展している一方で、リアル店舗も依然として重要な役割を担っています。流通の視点では、リアル店舗とECをどう組み合わせるのか、そこでどんな顧客体験を設計するのかといった点を考える必要があります。私が専門としているマーケティングや商品開発の分野では、購買データや来店行動などを分析しながら、人々が「なぜそれを選ぶのか」を読み解いていきます。
さらに、そうした行動データをもとに、「どう売るか」「どう市場を広げるか」を戦略として組み立てていくことも学びます。ファッションは、こうしたマーケティングや流通戦略を考えるうえで、とてもわかりやすい題材だと言えますね。

岡本先生 さらに私が専門としている人間工学や情報技術の分野では、「人がどのように感じ、どのように使うのか」という視点を大切にしています。たとえば、ECサイトの画面の見やすさや操作のしやすさ一つでも、購買行動は大きく変わりますよね。
情報の視点では、デジタル技術が実際のビジネスでどのように使われているかを学びます。AI、VR、データ分析、NFTなど、最先端の技術がファッション業界の課題解決にどう結びついているのかを具体的に考えていきます。技術を学ぶこと自体が目的ではなく、「社会でどう活かすか」を重視することが大切かと思います。

沼先生 流通情報学部では、マーケティングと情報技術を組み合わせ、実践的に学ぶことができます。ファッションやEC、デジタルビジネスに興味がある人にとって、自分のアイデアを形にし、価値として届ける力を身につけられる環境といえます。

岡本先生 ファッションという身近なテーマを通して、デジタル技術とビジネスがどのようにつながっているのかを理解できる。それが流通情報学部で学ぶ面白さだと思います。変化の速い時代だからこそ、ECにおけるデータ活用や、デジタル体験の設計といったトレンドを実践的に学べることは、大きな強みになるでしょう。

まとめ

流通情報学科では…

ファッションをはじめとした身近な商品を題材に、マーケティングと情報技術を組み合わせてビジネスを考えます。ECとリアル店舗をどう連携させるか、顧客体験をどう設計するかといった課題に対して、AIやVR、データサイエンスなどのデジタル技術を学びながら解決策を探っていきます。理論を学ぶだけでなく、データ分析やデジタル施策を通して、実社会で実践的に活かせる力を身につけます。

このお話に関わりのある授業
  • 流通概論
  • ネットマーケティング論
  • データサイエンス演習
  • AI演習
  • WEBデザイン演習