1.本研究の背景と目的


 これまで流通経済大学の障害者教育問題研究会では、全国の4年制大学を対象として、2度にわたる全国郵送調査を実施し、障害者の高等教育段階における「入学・在籍・就職」などに関して、基礎的な調査報告書を発表してきた。またそこから見えてきた幾つかの問題に関連して、それぞれの研究者が共同で、あるいは個別的に分析・研究を行なってきた。

 障害者の高等教育に関わる問題を調査・研究していく過程で、障害のある生徒の後期中等教育、すなわち高等学校段階での実態についても、実際には不明な点がかなり多いことが判明した。特殊教育諸学校(盲・聾・養護学校)に在籍する生徒に関しては、文部科学省発行の「学校基本調査報告書」などで具体的な数値が上げられているが、それ以外の一般の高等学校については、入学から卒業まで、各都道府県教育委員会の指示に従っているか、あるいは個々の学校での個別的な対応に終始しているのが現状で、それらが公的に明らかにされるケースも稀であった。(平成10年、全国高等学校長協会・特殊学校部会は「高等学校における障害のある生徒の実態調査(報告)」を発表した。これはこの種の調査としては先駆的で、調査の主体が公立高等学校の校長であった点でも独創的であった。しかし回答校数が191校と少なく、調査の範囲も限定されたものであった。)

高等教育機関に進学してくる障害のある生徒に関していえば、その多くはいわゆる「統合教育」を受けた生徒、すなわち一般の高等学校を卒業してきた生徒たちである。そこで本研究では、これまでほとんど注目されてこなかった後期中等教育段階での障害のある生徒の実態調査を行い、生徒たちがどのようにして高等学校に進学・在籍・卒業しているのか、またそこでどのような問題を抱えているのかを明らかにしたいと考えている。





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