名前も居場所もわからない、東北の恩人に届けたくて。
膝が震えるほどの緊張感の中、私が立っていたのは外国人留学生スピーチコンテストの舞台。友達の前で何度も練習を重ねて挑んだ理由。それは、どうしても伝えたい思いがあったからです。2011.3.11。私はロシアの父と訪れた福島県小名浜で被災したのですが、その時、一人の日本人男性が、ご自身の小学生になる娘さんの行方もわからないのに、私たちを高台へと避難させてくれたのです。あの日から一度も忘れたことのない感謝の気持ちを、きちんと日本語で表したいと必死だった。すると、一瞬の間の後に拍手がわき起こり、会場の最前列に駆け付けた友人たちが泣いているのが見えて。「ああ、届いたんだ」と胸が熱くなったのを覚えています。
国を越えて交流できる、そんなサークルを作りたかった。
東日本大震災をきっかけに、私の人生観は大きく変わりました。どんな人にも親切に、良心を持ち続けることに価値があるのだと。"BBC"という国際交流サークルを起ち上げたのも、国籍を問わず誰もがわかり合える場が必要だと感じたからです。私自身、入学当初は留学生だけでご飯を食べたりしていましたが、このサークルのおかげで友達が増え、今では英語や中国語を教え合ったり、留学生に東京案内をしたりと交流が広がる毎日。「ロシアには通知表を冷蔵庫で冷やすおまじないがあるんだよ」「国によって虹の色の数が違うって知ってた?」。知らない知識を教え合うのは楽しいですね。
そんな中、当初は違和感のあった日本人の曖昧さも思いやりだと気づき、最近は家族から「日本人っぽくなった」と言われるんですよ。何か揉め事があっても「まあまあ」となる(笑)。これも友達の影響でしょうか。
友達の優しさを胸に、目指すは国際観光の仕事。
思えば、初めて降り立った日本は曇り空で、日本語も話せず、「友達できるだろうか」と不安でした。しかしRKUの友人は素の私を受け入れ、「レポートわかる?」「虫、苦手なの?」と次々に手を貸してくれたんです。そうそう、ベトナム人の親友との出会いは嵐の夜。突然、ドンドンと扉を叩き「電話を貸して」と訪ねてきたっけ。それが今では、国を越えた大親友になるなんて不思議ですよね。こうした経験を土台に、卒業後は国際観光を通じた"心と心の交流"をサポートしたいと考えていて、現在、旅行業界を中心に就職活動中です。
違いを認めることから、世界平和は始まると思う。
私がこの国での出会いを通して学んだもの。それは"違いを受け入れる大切さ"。異なる文化や考え方に心を開くことから国際理解は始まり、ひいては世界平和につながるんじゃないかなって。だからこそ、いつか仕事で世界中を旅して、沢山の人に会ってみたいですね。そして、日本でそうだったように、地球のあちこちに心を通わせられる友達ができたらと、大きな夢をふくらませているところです。
エリザベータさんよりひとこと
国際観光学科4年
ドルゴシェイナ=エリザベータ
REALな一問一答
- 出身地 ロシア チェリャビンスク州
- 血液型 O型
- 星座 やぎ座
- 趣味 ダンス、語学勉強
- 出没スポット 大学内、友達の家、サイゼリア
- 好きな音楽 ラテン系、洋楽
- 好きなアーティスト Beyonce
- 好きな食べ物 フルーツ
- 今一番行きたい国 アラブ首長国連邦
- 愛読書 観光関係
- 尊敬する人物 大学職員の篠さん
- 最近一番うれしかったこと 内定をもらったこと
- 似ていると言われる芸能人 ローラ
- 好きなタイプ 兄のようなカッコイイ人
- 休日は何をしている? テレビを見る、ダンス
- 無人島に一つだけ持っていくとしたら ナイフ
- 好きな言葉 関西弁
- 子供の頃の夢 世界旅行
- 10年後、何をしている? 5人家族を持ち、働きながら世界中を回っている
- RKUの一番の魅力 専門以外にもたくさん学べること
- 高校生にひとこと いろいろなことにチャレンジして楽しんでください!
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※掲載内容は取材時のものです。また学年は2014年6月現在のものを採用しています。