学長メッセージ
企業と社会の負託に応える教育に向けて

「夢工房」という表現がよく用いられますが、大学ほど「夢工房」にふさわしい空間はないのではないでしょうか。大学は、いつの時代においても新しい夢を探求する場であり、夢を実現する場でもあります。夢を探求するということは、新しい可能性(事実)を追求することに他なりません。大学で行われる創造的研究は、いかなる分野であれ、未知の可能性を求めて行われていますが、学生もまた何らかの形でそれに関わることで、未知との遭遇を体験する幸運に恵まれることがあります。大学における高等教育が、初等・中等教育と根本的に異なるのは、こうしたわくわくするような創造性を志向しているからです。そして教育もまた、一人一人の学生の「個性と才能」という未知の可能性を発見するという意味では、創造的活動であることに変わりありません。大学が、夢と志を持った人材を育て、世代を超えた文明の継承・発展を通じて、人類の進歩に大いに貢献している所以に他なりません。
流通経済大学は、幅広い教養と深い専門的知識を持って産業界で活躍できる指導的人材の育成を「建学の精神」に掲げて、物流業界をはじめとする我が国産業界の支援のもとに、創立以来今日まで、「実学」に徹した特色ある教育を行ってきました。5学部8学科と大学院5研究科からなる中規模総合大学となった現在でも、この実学教育の理念は、すべての学部学科において共有されています。実学教育とは、それぞれの分野の専門的知識の修得だけでなく、汎用性ある「論理的思考力」や的確な「判断力」、「コミュニケーション能力」などの社会人基礎力(コンピテンシー)とともに、革新的なビジネス・マインドをも育むものでなければならないと考えております。3.11後のわが国が、社会経済の高度化やグローバル化、そして少子高齢化(人口減少)という厳しい環境の中でも活力を維持し、21世紀型の「イノベーション立国」を目指して国際社会での競争力を確保していくためには、新たな価値や産業を生み出す創造力豊かな人材が必要です。こういう「危機の時代」においてこそ、過去の経験や伝統にとらわれずに、企業活動に変革と革新をもたらす、「企業家精神」を持った人材が不可欠と言えましょう。
流通経済本学では現在、専門的職業人の育成という「建学の精神」の一層の実現に向け、「教育の質の向上」と「教育の質保証」を目指して、大幅な「カリキュラム」と「教育プログラム」の見直しと改革に取り組んでいます。大学もまた企業や社会とともに時代の流れを共有し、それを実践するという意味においては、このたびのカリキュラム改革の持つ意味は極めて大きいと考えています。自ら課題を見出して、考え、行動し、成し遂げるだけの「社会人基礎力」を身に着けさせて、社会に出てから活躍できる人材を育成するため、何をどのように教えるべきか等についても考慮しながら、2013年度からの実施を目途に、新しい教育課程を構築しつつあります。
平成24年5月1日
流通経済大学長 小池田 冨男
略歴
| 1949年 |
石川県生まれ |
| 1976年3月 |
東京大学大学院経済学研究科 博士課程満期退学 |
| 1976年4月 |
流通経済大学 経済学部専任講師に就任 |
| 1988年4月 |
流通経済大学 経済学部教授に就任(現在にいたる) |
| 2001年4月〜2005年3月 |
流通経済大学 経済学部長 |
| 2001年 |
学校法人日通学園理事に就任(現在にいたる) |
| 2008年11月 |
流通経済大学 学長に就任 |
専門分野
経済学史、経済思想、社会経済学
代表的著書
『貨幣と市場の経済思想史―イギリス近代経済思想の研究―』(流通経済大学出版会、2009)
『市場社会論の構想』(共著、社会評論社、1995)
その他
趣味
テニス、車とドライブ、クラシック音楽鑑賞、愛犬(ミニチュアダックス)の散歩
酒、煙草は一切やらないが、美味しいレストラン探しを楽しみとする
所属学会
経済学史学会
社会情報学会